花の情報局

自作ドライフラワーと既製品ドライフラワーの、メリットとデメリット

管理人は、ブログでも紹介しているように、常時何種類かのドライ花材をストックしています。その中には、自分でドライに作ったものもありますし、既製品のドライを購入したものもあります。

普段、楽しみで飾ったり作ったりしている分には、「自作」「既製品」のどちらを取るのかなど、あまり深く考える必要は無いのですが、展覧会用などで、大量に揃えたい、且つ作者の求めるクオリティのものを揃えたい、という目的がある場合には、どちらがより良いのかを考えなければならない場合があります。
また、ドライフラワーアレンジメントを作る方や、ドライフラワーを使ってナチュラルテイストな雑貨を手作りするような方は、「より美しく仕上がる方」がどちらなのかと考えることがあるでしょう。
シンプルにドライフラワー好きな方も、「きれいにできるなら自分で乾かすけど、そうでないなら買った方が良い」ということがあります。

この記事では、既製品ドライフラワーと、自作ドライフラワーのメリットやデメリットについて紹介し、各花材についても、「この花は、自作が良いのか、既製品が良いのか」という、具体的なところまで考えてみたいと思います。

 

目次 自作ドライフラワーと既製品ドライフラワーの、メリットとデメリット

  1. 既製品ドライのメリット、デメリット
  2. 自作ドライのメリット、デメリット
  3. 各花材について

既製品ドライのメリット、デメリット

メリット

  • 総じて、素人が家庭で作るドライフラワーよりも色が良く残り、形も美しい
  • 素人が家庭で作るドライフラワーよりも、色の持ちが良いことが多い
  • 常時在庫があることが多い(急なニーズに対応可)
  • カタログが完備しているショップが多いので、選びやすく、自分の知らなかったドライ花材を発見しやすい
  • 生花では入手できないもの(つまり、自分でドライにすることは難しいもの)の扱いもある
  • 素人が家庭でうまく乾かせないものの扱いもある
  • 着色ものは、素人が色をつけるよりも、メーカー製が断然きれい
  • さらしものは、メーカー製が断然きれい(というより、さらしの作成は素人にはほとんど無理)

デメリット

  • 自作するよりコストがかかる場合がある(コスト的には、自作の方が安い場合も、そんなに変わらない場合もあります)
  • 形がどこで買ってもほぼ同一のような、規格化された印象の花材になることが多い
  • まとめてパック売りが多く、1本買いできないことがほとんど
  • メーカーがペイしないと思った花材は、ドライ花材として登場しない(たとえば、その辺の雑草など)
  • ドライフラワーにもそれなりに流行があり、流行らなくなると、市場からパタッと姿を消す花材がある

上記のメリット・デメリットと、下の自作ドライのメリット・デメリットをよく比較し、自分が入手しようとしている花材には、どちらがよりふさわしいのか検討しましょう。

 

自作ドライのメリット、デメリット

メリット

  • 自分の庭から切ったものでもドライにできる
  • 好きな形を作って乾かすことができる
  • 壁に吊り下げて乾かすだけで、大概の既製品ドライよりは自由で大らかな形に乾かせる
  • 1本から買える(摘める)花材なら、自分の好きな数を乾かせる
  • 既製品ドライとして売っていない花材も、「ドライにできるかも?」と思ったら製作にチャレンジできるし、その結果きれいなドライが作れることもある
  • コストゼロで作れることもある(ギフトでいただいた花や、庭の花、野で摘んできた花など)

デメリット

  • 乾かすのに、失敗することがある
  • 既製品ドライに比べると、だらしない姿に仕上がることがある
  • 既製品ドライに比べると、沈んだ色に仕上がることがある
  • 既製品ドライに比べると、色あせが早いことがある
  • 乾かす間、くさいことがある
  • 乾かしていると、「邪魔だし、くさい」などの理由で、家族からクレームを受けることがある
  • 虫が発生することがある
  • 乾かす日数がかかるので、急に必要なときには間に合わない
  • 不定形なので保管が面倒。きれいに保管できない

各花材について

上記のように、メリット・デメリットがあるわけですが、色々なドライフラワーを買ったり作ったりしているうちに、各花材によって、
「この花なら既製品を買う価値が有る」とか、
「自作であまりにも簡単にできるので、自作でよい」とか、
思うところが出てきます。
下に、主なドライ花材について、管理人がどう思っているのかをリストにしてみました(あくまでも管理人の主観です)。

  • カスミソウ……自作でも容易に作れるが、仕上がりの色が良いのは既製品(最近は、既製品のナチュラルなカスミソウ・ドライは少なく、ほとんど着色ものかプリザーブド花材)
  • ユーカリ……自作でも容易に作れるが、珍しい品種があるのは既製品
  • クラスペディア……カビに気を付ければ自作でも既製品とほぼ変わらないものが作れる 参考:管理人自作のクラスペディアドライ
  • スターチス……既製品と自作に、ほとんど差は無いが、自作すると葉が黒っぽくなることがあるので、そのときは葉を取ってしまった方が良い
  • ミモザアカシア……自作と既製品に差はほとんど無い
  • バンクシア……品種によっては、自作でもかなりきれいにできるが、トータルでは既製品の方がきれい 参考:管理人自作のバンクシアドライ
  • カンガルーポ……既製品の方が色がきれい。自作品は花がポロポロ落ちることがある
  • ラナンキュラス……自作できれいに仕上げるのは、条件が整わないと難しい 参考:管理人自作のラナンキュラスドライ
  • ドライレモン(レモンの輪切りのドライ)……自作でもできる(むしろ既製品よりも繊細なものができる)が、既製品の方がきれいな色を長く保てる 参考:管理人自作のドライレモン
  • 麦類(小麦・大麦・ビール麦・黒麦etc)……既製品と自作ものにそれほど大きな差は無い 参考:管理人自作のドライ麦
  • エノコロ草……近所で摘んできて、数日吊せば簡単に作れる。既製品はほぼ見かけない
  • シラン(実)……簡単に自作できる。既製品はほぼ見かけない 参考:管理人自作のドライシランの実
  • リュウゼツラン……膨大な時間がかかるが、自作できる。既製品は出回っていない
  • ハスの葉……ハスを入手できれば、自作は比較的容易だが、乾かすときに場所を取ることと、匂うことがあるのが難点。既製品はほとんど見かけない
  • ゲイラックス……色も形も、既製品の方が仕上がりが良い。自作は、葉がかなりよじれることがある
  • 唐辛子……既製品と自作に、ほとんど差は無い 参考:管理人自作のタカノツメ(ドライ)
  • ローリエ……フレッシュなローリエを入手できれば、自作も簡単にできる
  • 綿の実……自作も容易に作れるが、出来栄えは材料の良し悪しでかなり変わる 参考:管理人自作の綿の実ドライ
  • ハスの実……既製品も売っており、自作も可能。ハスの実ドライの自作と既製品は、それぞれに一長一短あり、それについてはこちらのコラムでも書いています→ハスの実ドライ
  • はんの実……既製品と自作にほぼ差が無い 参考:管理人自作のドライハンノキの実
  • 風船かずら……自作でも、比較的容易にドライにできるが、既製品の方が、色がよく仕上がっていることが多い
  • ストロベリーコーン……フレッシュのストロベリーコーンを入手できれば、保管しておくだけで既製品ドライと同等なものが作れる
  • キウイ蔓……既製品と自作にほぼ差が無い
  • カラタチ……既製品は、ナチュラルなものは少なく、ほとんどがサラシ。カラタチを入手できれば、自作でも既製品に劣らないものができるが、大きいものだとトゲが危険なので、乾かす場所を選ぶ必要がある
  • ニゲラの実……容易に自作可能。材料の良し悪しが出来上がりに繁栄する 参考:管理人自作のニゲラの実ドライ
  • オーガスタ……カビに注意すれば自作可能だが、既製品の方が色も形もきれい 参考:管理人自作のドライオーガスタ