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花留め:七宝

剣山ほどの知名度はありませんが、七宝は、いけばなの花留めとして使われるものです。クラシックないけばな流派が比較的よく使う花留めです。
(※ここでは、この形式の花留めの中で最もメジャーな「七宝」に限って解説していますが、同じような構造・使い方の花留めで、「流水」「矢羽根」などを象ったものもあります)

 

目次 花留め:七宝

  1. 名称:七宝
  2. 七宝の種類・しくみ
  3. 七宝を買える場所
  4. 七宝の値段
  5. 七宝は簡単に買えるのか?
  6. 七宝は簡単に使えるのか?

名称:七宝

「七宝」は、「しっぽう」と読みます。
日本の伝統的文様の一つ、七宝の形をした、風流な花留めです。

 

七宝の種類・しくみ

七宝には、一ツ輪、二ツ輪、三ツ輪があります。単純に輪っかの数が異なるもので、要するに、下の画像のようになります。(左から、一ツ輪、二ツ輪、三ツ輪)

もしかすると、大作用に「六ツ輪」などもあるのかもしれませんが、管理人は「三ツ輪」までしか見たことがありません。

七宝は、上の画像を見れば分かりますが、器の中に置くことができて、花の軸を挿しこんで留めるための「仕切り」なのです。使い方は、素人にとっては、一般的な剣山の方が話しが早くて簡単なのですが、器用な人や、「剣山みたいにがっちりホールドしてくれなくても、ちょっと引っかかりになってくれればいい」と思っている人には、見えてもいい分だけ七宝の方が気楽に使えます。

また、七宝に剣山の機能をプラスしたものもあります。大抵、剣山部分は取り外しできるようになっていて、必要に応じて装着できます。

↑こうなると、特別なスキルは無くても、利用することはできます。プロのようにはいかなくても、家庭で留まりにくい花がちょっと留まれば、それは「役に立つ」と言えると思います。

 

七宝を買える場所

あまり、その辺で気軽に売っているようなものではありません。いけばな道具の専門店に行く機会が無い方は、ネットが便利です。


七宝の値段

七宝は、一般的な道具ではありませんので、あまり安くは売っていません。一ツ輪でも、千円以上します。しかし、手にとってみるとずっしりと重く、「なるほど、数100円程度では買えないものだな」ということが分かると思います。

 

七宝は簡単に買えるのか?

以前は、華道具専門店や、各流の展覧会場の出店でないと買いにくいものでしたが、最近はネットで買えますので、いまや「簡単に買える」と言えるものになりました。

 

七宝は簡単に使えるのか?

剣山と比べると難しいと言えます。しかし、うるさい型や法則に関係ない素人さんなら、むしろいけばな流派の門弟よりも自由に伸び伸び使える道具です。七宝は、いけばな的には水盤に使うものなのですが、素人なら、花瓶の底に沈めて使ってもいいわけです。
七宝の使い方は、「仕切り部分に花を埋め込んで留める」のがすべてです。それに「便利さ」をイメージできないのであれば、七宝よりも一般的な剣山の方をお勧めします。