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花屋に「花材注文(指定花材注文)」するとはどういうことか?

少し特殊な花の買い方として、花屋さんに、「この花を、何月何日に、この量だけ注文します」という買い方があります。
自宅用の切花では、あまりこのような買い方はしないものです。このような、指定花材注文について解説します。

 

目次 花屋に「花材注文(指定花材注文)」するとはどういうことか?

  1. どんな場合に指定花材注文するのか?
  2. 管理人は、年に数回「指定花材注文」をします
  3. 「指定花材注文」は、どんな店に頼むのが良いのか
  4. 「反応が悪い店」というものがある!
  5. 花材を、どこまで「指定」するか
  6. 安くて良いもの、そして、イメージ通りのものを仕入れてもらうには?
  7. どうやってイメージ共有するのか?
  8. 注文の花材は、なぜ高い?
  9. 「注文する」とは、「花屋さんに無理を言う」ことに近いものと思うべし
  10. 管理人の注文の実例

どんな場合に指定花材注文するのか?

このような注文をするのは、
「どうしても、その日にその花材を確実に入手したい、入手できなければ困ったことや残念なことになる」
という状況にある人です。

このような特殊な注文をするのは、下のような場合です。

  • 花展の出品者
  • 結婚式用の花(ブーケなど)を、特定の花材で頼みたい花嫁
  • 個人で花作品を納品する人(フラワーディスプレイや、クリスマスリースの製作を受注した人etc)
  • 特殊花材を使った講座を開きたい花の先生
  • 特定の品種の花でなければならないような、メッセージ性の強いギフトや、演出にこだわったギフトを予定している人(たとえば、アプローズの花束を持って、彼女にプロポーズしたい!など)またはもらう側に強烈な意思があって「これが欲しい」と指定されている人
  • その他、何らかの理由により、特定の花材をどうしても入手したい人(個人の思い出や、映画や小説、花言葉、占い・風水などに由来した理由があったり、商品宣伝のために商品にまつわる花材でなければならない、研究のために研究対象の花でなければならないなど、色々考えられる)

上記のような、
「それでなければ、意味が無い」
「それでなければ役に立たない」

というレベルの注文をしたい場合です。
花を指定日・指定花材で注文するということは、割高になることがほとんどです。しないで済むものなら、管理人自身(一応プロです)でも「あまりしないで済ませたい」と思います。
そのような、特殊な注文を、できるだけ経済的に、合理的にする方法を、この記事では考えてみます。

 

管理人は、年に数回「指定花材注文」をします

私は、年に数回は、指定花材注文で花を買います。そのほとんどは、生け花関係の展示用花材です。
生け花展や、生け花ディスプレイで生ける場合、その辺の花屋で好きなものをパパッと選んで買う、という人はほとんどいません。いない、というか、できないという方が正しいです。表現に重きを置いた展示用花は、あらかじめ、「こんな作品像になる」という計画がある程度無いと危険ですので、普通は何回かリハーサルまでして作るものなのです。

そういうときに、リハーサル用も、本番用も、両方とも注文で仕入れさせると、なかなか大きな金額になります。
私などは、できれば、より少ない金額で済ませたいので、安く済ませるために知恵をしぼります。

 

「指定花材注文」は、どんな店に頼むのが良いのか

注文したい花のカテゴリが何であるか考え、「そのカテゴリの扱いに長けている店」を選ぶのが最も良いです。

たとえば、

  • 生け花展覧会の花材であれば、花の稽古場出入りの多い花屋。もしくは、生け花流派の指定花屋
  • 希少な高級切花であれば、「高級花屋」、もしくは、マニアックな品が揃っている花屋
  • ブライダルブーケであれば、結婚式場付きの花屋や、結婚雑誌の常連花屋
  • 希少なバラ苗であれば、バラの専門店や、バラの扱いの多い園芸店、バラマニアのお勧め店
  • ハーブ苗であれば、ハーブ専門店や、ハーブの扱いの多い園芸店、ハーブマニアのお勧め店
  • 希少な観葉植物であれば、観葉植物専門店
  • 注文者が、「この花なら、絶対にあの店!」とかねてから思っている店

↑のような店を選ぶと良いでしょう。
最初の一軒で、あまり良い返事をもらえなかったとしたら、第二・第三の注文先を探しましょう。一軒の店で「そういうのは入りません」と言われたからと言って、簡単に諦めてしまうことはありません。
ただし、あまりにも連続で断られたら、自分の注文の仕方に問題が無いか考え直してみましょう。(稀に、市場に出るはずがないような花を「入れてくれ」と言われることもあります。自分が無茶な注文をしようとしているのではないかと疑うことも大切です)

「そのカテゴリの扱いに長けている花屋」は、情報と経験が多いので、こちらが「何を思ってこの花を注文したのか」という意向を汲み取るのが早く、何かと話しがスムーズに進みます。
また、値段を下げる方法もよく知っていることがあります。「この店は、このカテゴリのプロだな」と信頼したなら、なぜ、その花を自分は注文したいのかということを、かなりぶっちゃけて話してしまい、一緒に「なるべく安く、良い品物を買う方法」を考えてもらえるくらいになれると一番いいです。

 

「反応が悪い店」というものがある!

実際に、何度か花材注文したことのある人なら、思い当たることもあるかと思いますが、
「この店が最適に違いない」
と思って注文してみても、
「妙に店の側の反応が悪い」
と感じることがあります。

単に、店主が無愛想な人だということもあり得るのですが(専門性の高い花屋の店主は、職人肌の無愛想者がわりと居ます)、店のリアクションの悪さに、注文内容が関係していることがあります。
下に、例をあげてみます。

  1. 「手間がかかるわりに、実入りの少ない注文」なので、店としては「キャンセルにならないかなあ」くらいに思っている
  2. 得意分野の注文でないので、受注の担当者が自信を持てないでいる
  3. なんだかはっきりしない注文内容なので、花屋が困惑している
  4. 「この注文は、うちの店じゃないほうがいいのにな」と思っている
  5. 発注者が、何らかの「非常識要素」を持っている(注文の内容が非常識な場合も、注文者のふるまいが非常識な場合もあります)
  6. 本人が決めるべき大事な決断を、花屋に押し付けようとする気配が感じられる
  7. 注文主に、「いろんなことを想定できない、思考の狭い奴」の気配が感じられる

↑こんなときに、花屋さんのリアクションは悪くなる傾向にあります。花屋さんのリアクションが悪いときの理由は、大きく分けると「警戒している」か、「困惑している」かのどちらかです。

花屋が特に警戒するのは、上の6と7のケースです。
6の「大事な決断を花屋にさせようとする」というのは、経験の浅い花の先生などは、無自覚のうちにしていることがあるので要注意です。最初は、情報を聞くためにしている質問が、「ベストな決断はどれなのか」と迫っていく質問に途中からすりかわることがあります。これ、花屋からすると結構困ります。

7の場合もかなり困ります。「自分の想定していることがすべてだ」と思っている人というのがいるもので、その「想定」から少しでもはみ出したものが届くことを「注文の失敗」と捉える人がいるのです。その人の脳内にある絵の通りでないと「失敗」にされてしまうというのは、花屋としてはきびしいです。
長年花屋をやっていると、この手の人は見抜けるようになってきます。そういう発注主の大きな特徴としては、花屋の側から「その想定をすべてとするのは危険ですよ」と助言しようとしても、人の話を聞かないことです。完全に、自分の都合のいいように、すべてが進むと思っています。
注文で花材を入れるときには、なかなか想定の通りには行かないことが多いです。「注文する」とは、「無理を言う」みたいなものなのです。それを理解する下地の無いお客さんだなと思うと、花屋としては、ちょっと微妙な取引になる予感を感じます。

 

花材を、どこまで「指定」するか

注文のレベルにも、色々あります。たとえば、バラを注文するにしても、
「赤バラが欲しい」
というのと、
「サムライ(赤薔薇の品種です)の、少なくとも70cm以上あるものを100本。撮影用なので、開き加減の方がいい」
というのでは全く違います。
花屋の側からすると、ゆるい注文の方が気が楽ですし、値段を抑えられるので、「そんなに細かいところまで決めなければ、もっと安く買えるんだよ……」と思うこともあります。

花は、うるさく条件を指定すればするほど、値段は高くなると思ってください。
ただの「赤バラ」だったら、その日市場に出た、「良い品物で、頃合の値段のもの」をチョイスしてくればいいですが、「70cm以上のサムライ」と言われてしまったら、「80cm級のローテが、今日はこんなに安いのに……!!」と思っても、花屋さんはサムライを買わねばなりません。その日、ありえないほどにサムライが高かったとしても、それを買わねばならないのです。
「その辺は、臨機応変にローテの安くて良いやつを買ってきてよ……」
と言いたいところですが、それならそれで、「状況によっては、サムライ以外に乗換も可」という意思表示をしておいてもらわないと、花屋は勝手にローテを買えません。

注文するとは、こういうことなのです。「約束したから、それを入荷しました」という姿勢が、この場合は花屋の誠意なのです。

 

安くて良いもの、そして、イメージ通りのものを仕入れてもらうには?

上の項で書いたように、「花屋さんに臨機応変に動いてもらえる状況」を作っておくと、注文主は、何かと得をすることが多いです。
このような状況は、馴染みでツーカーな花屋さんがあると非常に作り易いので、花展出品などを継続して行うような人は、「全面的に信頼できるおなじみ花屋」を一軒確保するくらいの気持ちでいても良いでしょう。できれば、こちらの好みや作風までも理解してくれている花屋さんがいるといいです。

注文花材というものは、もちろん「安く」入れてもらいたい思いも大きいですが、何より大事なのは、自分の求めている通りのものを入手することです。それを達成するには、こちらが「何をしたいがために、この花材を注文しようとしているのか」を、花屋さんにうまく伝えることがとても重要です。
要は、注文主と花屋でイメージの共有ができているかどうかで、だいぶ話しが変わってくるということなのです。どうしても、思い通りのものをゲットしたければ、花屋さんとうまくイメージ共有する方法を考えましょう。

 

どうやってイメージ共有するのか?

たとえば、私の場合、自分が親しくしている花屋さんがいくつかあります。私は、生け花展の花材を注文するときには、そのような気心の知れたところに、まずは相談します。
私の場合は、かなり作品の具体的なものを話し、それを聞く花屋さんの反応を見たりします。そして、「おや、これは入荷がおぼつかないな」などと思えば、話しながら別の花材に乗り換えていったりもします。

「具体的」とは、どのレベルかというと、たとえば、

  • こういう場所に飾るので、最低でもこのくらいの長さが欲しい
  • 強い花を生けたいので、バチっと目立つ花材が欲しい
  • 〇日間くらいは取り替えないですむ花材が望ましい
  • 絶対に、この色味の花でないと困る
  • 器との兼ね合いで、花の顔の大きさはこのくらいがいい

↑このようなことです。上記のように、言語で伝えられることは、なるべく伝えるようにします。そして、相手が質問してくれば、何でも答え、答えられないことだったら、「ごめんなさい、そこは考えてなかった」「それは今の段階ではわからない」など、正直なところを申告します。

初回の買い物で、ここまで突っ込んだ話に花屋さんを付き合わせるのは、なかなか難しいことです。私も、20年も付き合っている花屋だからこそ、言えることもあります。
しかし、注文花材の納品に意欲を持っている花屋さんなら、そうそう冷たい態度は取らないはずです。そういう、特殊注文を出してくるようなお客さんは、後々良いお客さんになる可能性があるのですから。

このような、花屋さんへイメージ共有を持ちかけるときに、最も大切なことは、「何のために、何が欲しいのか、どのくらい熱烈にそれが欲しいのか」を伝えることです。
花を指定注文しようという人は、必ず「これだけはゆずれない」ものを持っているはずです。その、「これだけは」の核心を伝えることが肝心です。

一度も、指定花材注文をしたことの無い人は、このイメージ共有の重要性が分からないことがあるものです。
たとえば、「ボケ10本」と注文したら、ボケが10本届くだけのことではないか、それ以上の何を共有するのか、と思うのも無理無いことなのかもしれません。
しかし、どんな枝つきのボケなのか、どんな長さのボケなのか、花の色は何でもいいのか、花つきが少なくてもいいのか、などのイメージが、注文主と花屋ですべて食い違っていた場合、
「えっ。こんなはずではなかった。どうすればいいの?」
ということが起こりうるのです。

「起こり得る」と書くと、「そういうことも、稀にある」という程度だと思われるかもしれませんが、「イメージ食い違い納品」というのものは、実は珍しくはありません。花展の会場で、「イメージと違うものが届いた」と言っている人の数は、びっくりするほど多いのです。その中には、「私は、花屋さんと、ちゃんとイメージ共有できたはずだ」と信じている注文主さえ含まれているのです。
思い描いているものが、そのままの姿で入荷してくるということは、そんなにたやすく実現できることではありません。それを実現できる確率を上げたいなら、「何も言わなくても、花屋は私の脳内イメージまで全部分かってくれるはずだ」などと思っていてはいけません。

花展の花材納品の場合、イメージと違うものが届いたら届いたで、花の先生たちはそれを腕で乗り越えることもできます。(立派な花の先生ならば、イメージと多少違うものが届くくらいは「想定内」と言える余裕が欲しいです)一番怖いのは、すごくブーケに思い入れのある花嫁さんです。イメージと違うブーケを、式当日に押し付けられた花嫁さんは、「こんなはずではなかった」という後悔の念を後々まで残すものです。
花屋さんと、注文の話をするときに、値段や納品時間なども大事ですが、「ちゃんとイメージ共有できているだろうか」という意識を持ちながら話すのも、とて大事なことです。

※イメージ共有が特に必要でない花材注文というものも、もちろんあります。そういうときには、クールに「なになにを何本」と注文するだけでOKです。

 

注文の花材は、なぜ高い?

花を注文し慣れている人の中にも、下のような、素朴な疑問を持っている方は結構いるのです。

「なんで注文すると、普段の2倍3倍もの値段になるわけ?」

上記の言葉の中には、「店はこっちの足元を見てるんだろう」という気配が感じられることがありますので、花屋の自己弁護のために、何ゆえ注文商品は高めになるのかをざっと解説したいと思います。(※正直言って、「足元見てやれ」という花屋もいるのだと思います。「高くても欲しい」と思っている人には高く売る、というのは、わりと商売の基本です。海外旅行の値段がシーズンにより上下することなどを考えてみてください)

注文商品の請求が高くなる理由は、一つではなくて、色々あります。下にいくつかの例を挙げてみましょう。

1 競りの値段が高いうちに買い注文を入れるから

花屋は普段の競りなら、自分の店で「このくらいの花は、いくらだったら売れるのか」を考え、たとえば「パープルレインが100円だったら買おう」などと思って取引に臨みます。
「100円だったら買おう」と思っているのですから、150円で誰かに全部買われてしまっても、「また今度買おう」で、その日は買わずに帰ってきます。
しかし、「パープルレインを50本」という注文を受けていたら、「よその店に、買われてしまって入手できなかった」というわけにはいきません。どうしても買って帰らなければいけないのですから、150円や、200円などの段階で「買い」のスイッチを押します。その品物が、普段100円で仕入れたものより高くなるのは当然です。

2 仕入れ単位の分を全額請求してくるから

これは、花の先生は知っている人の方が多く、「5本だけ注文したのに、仕入れた一箱分請求されるのよ」という会話はわりとよく聞かれます。

たとえば、「4L級のフォックスフェイスを8本」という注文があったとします。ところが、仕入れのときは、「10本一個口」のものを入荷したとします。
そうすると、余計なフォックスフェイス2本が宙に浮いてしまいます。この値段は誰が面倒を見るのか? 店が、「もちろん、8本注文したお客さんにお願いしたい」と結論するのは間違っているでしょうか。
お客の側からすると、「私、8本しか貰ってないのに、10本分払わされたの? 理不尽!」という思いを持つかもしれませんが、花屋は、損益を出してお客さんに付き合う義務はありません。花屋にとっては、「フォックスフェイスの代金を、正等に回収した」だけのことです。
もちろん、余ったフォックスフェイスを、うまくよそで売って、「8本分の請求」を守れる力のある花屋ならそうするでしょう。しかし、店で売りやすい花材ならともかく、かなり特殊な花材が宙に浮いた場合、「店ではこの花材の面倒見切れません」というケースはいくらでもあるのです。

3 特殊な手配をした「手間賃」が上乗せされているから

お客さんから、「どうしても、何が何でもこれが欲しい」と懇願され、普通なら仕入れられないようなものを、骨折りを重ねて仕入れた場合、花材費に手間賃が上乗せされる場合があります。
いわゆる、商売人が言うところの「合わない(値段が手間に見合わない)」と思ったときに、このような上乗せが行われます。ちょっとやそっとの手間で、このようなものが加算されることはあまり無く、職人を一人生産地に派遣したとか、半日生産者に電話かけまくって仕入れ交渉したとか、かなり特殊な仕入れをした場合になります。

※上記の3つの例は、色々考えられる理由のうちの3つですので、これ以外の理由で高くなることもあります。

 

「注文する」とは、「花屋さんに無理を言う」ことに近いものと思うべし

花屋さんは、基本的には、
「この花は、うちの店で売れる花である」
と見極めたものを仕入れてきます。また、多くの花屋さんは、花をなるべく安く仕入れたいものだと思っています。
つまり花屋さんは、競りの状況を見て、それにうまく乗っていくのが良いのです。そのためには、何を何本仕入れる、という予定は、あまりガチガチに決めないほうが賢いのです。賢いというか、そうするのが普通なのです。
しかし、「注文」は、そのような駆け引きを許してくれません。それは、通常の仕入れ方を許してくれない、ということです。指定花材で注文するということは、「花屋に無理を言う」ことと、ほぼ同義なのです。
花屋に、陰で「変なお客に、へんてこりん注文された」と言われているケースは、注文主がこのことを理解していない場合が多いです。

指定花材注文など、滅多にしない素人の方はまだいいのですが、フラワー教室の先生クラスの人が、花屋の間で「あの先生はイタイ」と評判になるのは良いことではありません。
注文のような特殊な買い方を、スマートに決められるほう断然かっこいいですし、「あの先生は話が分かる」と言われるほうが、最終的には得をします。
「あの先生はイタイ」と言われながらも、花屋に大事にされる先生というのは、私の経験によれば、「金払いの良い先生」だけです。

 

管理人の注文の実例

私は、特に自分を注文上手とも思いませんが、花屋との意思疎通はうまく行っている方だと思います(自分も花屋の内部にいるのだから、当然なのですが)。
そんな私の「注文の実例」をいくつか紹介してみようと思います。

【例1】藤蔓……超おおざっぱ注文でした
「蔓もので、○○円程度。○cmくらいのサイズの場所に生けます。なるべく良いやつで」という、超おおざっぱ注文でした。結果、品物には満足しました。

【例2】ベアグラス……比較的おおざっぱ注文
私が一番気心の知れている花屋さんに、「ベアグラスを一箱、○○円くらいに収めたい、展覧会に使います」と注文。花屋さんと話しながら、「一箱にしよう」と決めました。「展覧会用」とは、「お稽古花よりも、高いグレードのもので」というほどの意思表示です。注文結果には、満足でした。

【例3】黒蝶(ダリア)……比較的おおざっぱ注文
(↑リンク先の画像であまり目だってなくてすみません)
「黒蝶を、20本お願いします」という品種指定の注文。でも、「どのくらいの大きさ」という話しはしませんでした。「この店なら、大体このくらいの大きさだろうな」という推測で注文しましたが、予測どおりのものが入りました。値段については、事前の話はいっさい無し。高級生花店への注文だったので、「高いんだろうな~」と思って請求書を待っていましたが、まったく予想通りのお高い請求が来ました。

【例4】流木……超おおざっぱ注文
「作品の土台になるような流木、○○センチの器に乗せるので、頃合の大きさで。○○円程度、なるべくかっこいいやつ」というおおざっぱ注文でした。注文主、大満足です。

【例5】グロリオーサ……おおざっぱ注文
「真っ赤より、朱に近い色味のグロリオーサ、30本。大作用。○○円くらいに収めたい」という注文でした。注文主の思っていたより、だいぶ立派なものが来て、10本ほど使いきれずにあまってしまいました。

【例6】ドラゴン雲柳
「大作用。草月プラザのてっぺんでびゅんびゅん生けるので、嵩も力強さもあるやつ。○○円に収めて欲しい」と注文したら、注文主の想定を大きく上回る巨大柳が入荷し、しばし柳の前で笑いました。でも、結果的には「良い品物」だったので、満足です。

【例7】カスミソウ
「カスミソウを○○本。展覧会に使います」という、あっさりした注文でした。完全に、想定どおりの品物、想定どおりの請求額でした。

【例8】アジサイ
「白いアジサイ○本、大体○円くらいにおさまると嬉しい。展覧会に使います」と注文。花の大きさの話はしなかったと思うけど、長さの話はしたかもしれない。花の大きさは、大体想定内でした。会期中、取替の必要がなかったので、品物としては満足。

【例9】サンスベリア
(リンク先ページの、作品写真の中の緑の部分にサンスベリアを使用しています。サンスベリアを切り刻んでしまっているので、すごく分かりにくいです)
「サンスベリア、○本。お稽古花程度のグレードでOK」という注文でした。
切り刻んでしまうので、長さはどうでもいいし、お稽古程度のグレードなら、そう高くもないだろうと思い、金額の話は事前にしなかったと思います。

以上、おおざっぱ注文ばかりで、あまり人の参考にはならないかもしれません。

上記のようなやり方を、そっくり真似するのが良いとは言いません。しかし、参考にしていただけることもあるかと思います。
上記の私の注文は、私の好みをよく分かってくれている馴染みの花屋がほとんどです。毎回、世間話しながら注文の細部を詰めていくくらいの、のんびり注文です。