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ハイドロカルチャーを自作する

手軽で洒落た水栽培のハイドロカルチャーは、初心者ガーデナーさんから、ベテランガーデナーさんにまで、幅広い人気があります。

ハイドロカルチャーとは、基本的には、発泡煉石を入れて水を張った容器に植物を植え込むものです。発泡煉石は、商品名は色々ですが、ハイドロボールと呼ばれることが多く、最も一般的なものは、レンガ色の直径1センチほどの球型のもので、粘土状の土を丸め、高温で焼いたものです。

しかし、最近は、発泡煉石も、炭を原料にしたり、粒の形、大きさ、色なども様々なものが出ています。また、ゼリー状の、発泡煉石とはまったく異なる素材の中で栽培するものも登場しました。
ゼリー状の素材を使用して育てるのは、「ハイドロカルチャー」とは呼ばずに区別する人もいるのですが、ここでは、土以外の、人工素材を入れた容器に水を張った水耕栽培を、すべて「ハイドロカルチャー」として紹介したいと思います。
ハイドロカルチャーは、出来上がった鉢物としても販売されています。しかし、ここでは自分で一から作る方法を紹介します。

 

目次 ハイドロカルチャーを自作する

  1. 用意するものは?
  2. ハイドロカルチャーの容器
  3. 発泡煉石(その他、ハイドロカルチャー専用土)
  4. イオン交換樹脂栄養剤
  5. 植えこむ植物
  6. ハイドロカルチャーの作り方
  7. ハイドロカルチャーの管理方法

用意するものは?

ハイドロカルチャー制作のために、用意するものは、

容器 発泡煉石(あるいは、その他専用用土) イオン交換樹脂栄養剤 植物

↑これだけです。特別なケアの要る植物、特殊なデコレーションなどを導入するのでなければ、上記のもので済みます。園芸店や、ホームセンターで入手できますが、今は100円ショップでも全部そろいます。

ハイドロカルチャーを自作する

 

ハイドロカルチャーの容器

ハイドロカルチャーは、水栽培なので、水抜き孔のある植木鉢ではなく、花瓶のように水をためられる容器で作ります。
逆に言えば、水が漏らなければなんでもOKです。きれいな空き瓶や、お茶碗、ぐい飲みなど、何でもハイドロカルチャー容器にできます。

ハイドロカルチャーが登場したばかりの頃は、「オシャレな新しい水栽培」を強調するため、ほとんどが透明なガラス容器で作られたものでしたが、最近は、せともの、金属など、あらゆる素材と質感の容器が使われるようになりました。しかし、ガラス容器は根強い人気があり、涼しさも演出できて、ハイドロカルチャーととても相性が良いです。

下は、管理人が実際に家でハイドロカルチャー容器にしたことがある器です。

ハイドロカルチャーを自作する
ワイングラス
ハイドロカルチャーを自作する
ハイドロカルチャー容器
ハイドロカルチャーを自作する
ミニ花器

 

発泡煉石(その他、ハイドロカルチャー専用土)

もっとも一般的なハイドロカルチャー用土は、発泡煉石です。どのくらいの量が必要なのか、あらかじめ確かめてから買うのが良いです。
発泡煉石は(その他のハイドロカルチャー用土も同様ですが)、入れ替える必要などはありませんので、あまり大量に買ってしまうと無駄になります。
以下に、代表的なものを紹介します。

発泡煉石

発泡煉石とは、1200度の高温で粘土を焼いたもの。丸い粒状になっています。

レカトン(ハイドロボール) 2リットルサイズ(中粒)
カラフルコーン 0.8L ホワイト ハイドロカルチャー用土

 

カラーサンド

ハイドロカルチャーを自作する

素材は、大理石やガラスなど、いろいろあります。小粒の砂利状で、かなり多様な色があります。一鉢に、単色でも、複数色でも使えます。色がきれいなので、透明な容器で作らないともったいないです。

カラーサンド 日本製 デコレーションサンド150g 大粒(1?1.7mm位) Fタイプ ライトグリーン(04)
CV-31/200 カラーサンド 小粒 (1.5mm前後) ラベンダー 200g

 

ハイドロカルチャーゼリー

ハイドロカルチャー用ゼリーについては、ブログに独立した記事があります→アクアボール(ハイドロカルチャー用ゼリー)

バブルジェリー 80373 ブルーミックス 10g

 

イオン交換樹脂栄養剤

イオン交換樹脂栄養剤は、根腐れ防止剤です。ハイドロカルチャーは水を入れっぱなしにするので、何らかの防腐処理をしないと、水が腐ってしまいます。
イオン交換樹脂栄養剤は、栄養剤だけの働きではなく、水の浄化も行います。
ただし、最近ではハイドロボールが多機能になっており、「防腐薬剤不要」と謳ってある用土であれば、特にイオン交換樹脂栄養剤は必要ありません。

防腐剤を使う場合、商品名に「イオン交換樹脂」とは書いていなくても、「ハイドロカルチャー用根腐れ防止剤」と書いて売っているものであれば、水の浄化と根腐れ防止の役目は果たします。もしくは、「ハイドロカルチャー用栄養剤」の中にも、同様の成分が入っているものもありますので、それを使ってもかまいません。
重要なのは、用土か、使用する薬剤か、どちらかが、必ず防腐の役割を果たしていることです。

根ぐされ防止剤は、通常4~6ヶ月ごとに補給します。薬剤の説明書きに従って追加してください。

一番有名なハイドロカルチャー用根ぐされ防止剤はミリオンAシリーズです。


ソフト・シリカ ブロックシリコ ミリオンA 100g?ソフトシリカ 珪酸塩白土 根腐れ防止剤 水腐れ防止剤

 

植えこむ植物

ハイドロカルチャーは、ほとんどの観葉植物で作ることができます。「これは、絶対に使ってはダメ」というのが思いつかないくらい、何でも大丈夫です。
ただし、花ものには制限があり、ほぼセントポーリア、ベゴニア、シクラメンに限ると考えてください。

 

ハイドロカルチャーの作り方

下記の手順で、ハイドロカルチャーを作成します。

  1. イオン交換樹脂栄養剤を、容器の底に入れる
  2. 用土を、器の底が隠れる程度に入れる
  3. 植物を用意する。土に植わっているものを使用する場合は、鉢から掘り出し、土を水できれいに洗い流す
  4. 器の中に、根を広げるようにして植物を置き、周りから用土を加えて植え込む。植物が、きちんと直立するように、しっかり植え込む。用土は、器いっぱいに入れることが多いが、それより少なくてもかまわない
  5. 水を注ぐ。目安としては、容器の4分の1程度。多くても、3分の1を超えない方がいい

以上で、出来上がりです。
植物は、一種類でも、多種類でも、同じ方法で作れます。

 

ハイドロカルチャーの管理方法

置き場所

室内の、直射日光が当たらない場所。半日陰程度がベスト。直射日光にあてると、水がお湯になってしまい、根を傷めます。

水やり

鉢物の基本と同じように、「無くなったらやる」でOKです。
入れる量は、容器の4分の1程度。多くても、3分の1を超えないようにします。うっかり多めに注いでしまったら、余分な水を捨てましょう。
透明な器は外から水の量が見えますが、不透明な器の場合は、水位計を使えば水の量を計ることができます。
慣れてくると、わざわざ水位計を使う必要はほとんど無いのですが、それほど高いものでもないので、丁寧に管理したい人は一つ入手しておいてもいいかもしれません。
(水位計を買うときには、サイズを確認し、鉢に見合う大きさのものを選びましょう)

水位計 ミニ観葉植物用
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[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

肥料

もともとハイドロカルチャーは、あまり巨大に育てる目的の栽培方法ではないので、肥料は抑え目にします。
イオン交換樹脂栄養剤を入れている場合は、基本的には必要ないと考えて大丈夫です。しかし、「生育が悪い」と思ったら、ハイドロカルチャー専用の肥料を一つ買って、そこに書いてある説明を守って与えてください。


植え替え

1年に1回程度で十分です。普通の土植えの鉢と一緒で、一回り大きな器に移します。そのときには、上の「ハイドロカルチャーの作り方」の手順を、もう一度くり返すだけです。

容器が汚れていたら洗う

容器の内部が汚れてきたら、中身を出して洗いましょう。
よくあるのが、透明な容器の内側にアオコが発生して、汚い水槽みたいになってしまう、という状態です。これは、ただスポンジなどでこすれば落ちます。

ハイドロボールは、洗えば何度でも使える

ただ水洗いするだけで、何度も同じハイドロボールを使えます。