※完全なる素人の人向けの記事です。花の生け方を勉強されている人には物足りない情報しかありませんので、見なくて大丈夫です!
専門的な花の飾り方を習わなくても、誰にでもできる飾り方は、少なくとも3手あります。
スラっと飾る
こんもり飾る
ちょこっと飾る
↑この3手だけで、花飾りの手数は、結構増えます。いずれも、「ただ挿すだけ」で特別なテクニックは要りません。花の嵩が多い場合 or ふわっと広がったフォルムの花の場合には、上の3手の次の4手目、
ふわっと飾る
が使えます。これも、花の嵩や形がそれを可能にしているだけで、生ける人の側の技術の問題ではありません。飾り方が全然分からない人や、「飾り方のバリエーションを少し増やせたらいいな」と思っている人は、この記事を参考になさってください。
最初に、「3種類の生け方」の画像を出してしまいます。
↑左から、スラっと(やや「ふわっと」寄り)、こんもり、ちょこっと、です。あえて全部同じ花材だけで3タイプの挿し方をしています。「挿し方」と言うほどの大層なものではないので、これだけ見て分かる人は、下の記事は読まなくて良いです。
色々な花を、この3タイプの生け方をしていれば、普通の人はそこそこのバリエーションを持っていつまでも花を生けていけます。特に、年に数回しか花を生けない人は、この3手(ふわっとも入れると4手)だけで一生をまかなえます。
いつか、この3手に飽きてしまって、「もっと美しく生けたい」「もっと工夫して生けたい」という気持ちが自発的にでてきたら、そのときには5手目を考えたり、ネットで探したりしてみてください。もしくは、いけばなや、フラワーアレンジメントを学んでみてください。その日まで、「スラっと、こんもり、ちょこっと、(ふわっと)」で、結構楽しくやっていけます。
ハードルの低い方からいきます。(全部ハードル低いんですが、一番普通の人が見慣れているであろう飾り方からいきます)
縦長の器に、縦長に花を挿します。図解すると、下のような挿し方です。
上の図は、2本挿しているように作りましたが、もちろん1本でもいいし、3本以上挿しても良いです。状況が許せば、100本挿したって良いです。
でもまあ、とりあえず2本挿した実物の画像を出してみます。
ただ、放り込んだだけです。スラっと飾りを、より簡単に、勝手に格好が付くように挿すには、器がより細長く、より口の小さいものにすると、変に傾いたりしないので楽に飾れます。
器は、長細いものに限らなくても大丈夫です。
口が小さければ、その下の器の形がどうなっていてもすっと立ちます。
花材の種類は一種類でも多種類でも大丈夫ですが、取り合わせに悩むくらいなら、潔く1種類か2種類でいいでしょう。
こんもりと盛るようにというよりか、まあるくまとめて飾る、と思った方が挿しやすいかもしれません。下の図解のような飾り方です。
↑この図の描き方だと、花が5本必要なように見えるかもしれませんが、実際は何本でも…2本でも3本でも、10本でも100本でも…およそ丸っこい形にまとめて生ければ「こんもり飾り」になります。実は1本でも「こんもり」はできるのですが、1本だけだと下の項の「ちょこっと」にだいぶ近づいていきます。(つまり、「こんもり飾り」と「ちょこっと飾り」は境界線があいまいです)
実例として、カーネーション3本の画像を出してみます。
1本でも結構こんもりする、という例も出しておきましょう。
↑一本にたくさんの花がついているタイプの菊です。器の口から花首が出るように挿すとこうなります。
もっと分かりやすい例を出します。
アジサイのような、もともとこんもりした形の花は、そのままさせば「こんもり飾り」です。
ワイングラスのようなスラっとした器に、こんもり飾ることもできます。
図解すると下のようになります。実はこれが一番簡単なのですが、短く切ることに抵抗のある人は、「ちょこっと」は勇気がいるようです。
上の項でも書いたように、こんもりとちょこっとは似ているので、図だけでは表しきれず、「小さい」ことを文字で書いてしまいました。
実例を出してみます。
花首だけ、文字通りちょこっと挿します。
色々な器にちょこっと挿してみました。
※やたらにカーネーションばかり例にしているのは、もともとは母の日用に撮った画像だからです。カーネーション以外でも、同じようにちょこっと生けできます
縦長の器でなくても、ちょこっと生けることはできます。むしろ、こちらの方が簡単かもしれません。
ちょこっと飾りは、複数本でもできますが、そうすると「こんもり飾り」に寄っていきます。
ちょこっと飾りは、下のように、浮かべたり、
器の中に入れてしまうこともできます。
シンプルなので、切る勇気さえあれば本当に簡単です。
私がよくやるのは、買って来た花をいきなり花首で切るのはなんだか勿体ないので、最初はスラっと飾りして楽しんで、2~3日後に花首だけ切って、ちょこっと飾りにしてオブジェ的に楽しむ、という方法です。
花をふわっと広げて生けるのは、使用する花と器により、簡単にできるかどうかが大きく左右されます。なので、簡単に済ませたいなら、無理に「ふわっと生ける」よりも、「スラっと生けたら広がってふわっとなった」ときだけ「ふわっと飾り」をすれば良いと思います。
例えば、下の画像の生け方は、私は意図的にふわっと広がる器や花の長さを選んでいるのですが、
器やら花の長さやら選べない、というときは、「スラっと飾り」のようにただ器にまっすぐ放り込んで、「広がったら、ふわっと飾り」「広がらなかったら、スラっと飾り」で良いでしょう。
意図的に「ふわっと飾り」にしようとしたときに、よく陥るのが「左右にぱっきり分かれてふわっとにならない」という状態です。下の図をご覧ください。
↑画像の右側のような「V字」状態になってしまうと、
ど真ん中(赤丸の部分)がぽかんと空いてしまい、間抜け&不自然な感を人に与えます。
これを回避するために、いろいろな策を講じるのが負担にならない人は、こんな裏技→口の広い花瓶に、少しの花を立てる裏技(ペットボトル作戦) 簡単な花瓶の花留め法 すごく簡単で、安易な気持ちでできる花留め法パート2 などを駆使しても良いですが、そんな面倒なことは結構です、という人は、余計な手間をかけることはありません。「意図的なふわっと」は回避しましょう(やれる自信があるときには、やってみてください)。
垂れ下がる形に生けるのは、うまくいくとカッコいいですが、意図的に生けようとすると多少の技術やセンスが要ります。そして、直立する生け方よりも、迷い始めるときりがない傾向にあります。なので、簡単に生けたい人は、垂れ下がらせて生けようとすることは基本的には考えず、たまたま枝垂れてしまって、たまたまそれが「ステキ」と思えたらそれもアリ、というくらいの意識で良いのではないでしょうか。
下は、意図せず枝垂れた実例です。
挿し方自体は「スラっと飾り」と同じです。意図せずに枝垂れるということは、もともと花材のどこかしらに下方向に向かう要素があるということです。ならば、どうせ直立させることは難しいので、これが自然な飾り方です。
もっと分かりやすい画像を出します。
↑これは蔓植物なので、誰がいけようが、技術や仕掛けを使わない限りは垂れ下がります。蔓ものは、素人に生けやすい花材とも言えないので、手間をかけたくないなら好きこのんで入手しなくても良いと思いますが、たまたま入手してしまったら、ズルズル下に引きずらない高さの器を用意して、スラっと飾りと同じだと思って挿してみると良いです。