家族・親戚の中に、誰か一人くらい植物系の趣味を持った人、職業が植物にかかわる人がいないでしょうか? そういう、専門的なことができたり、知っていたりする人に助けてもらえると、自由研究の体裁を整える上で、とても心強い見方になってくれます。
協力を頼める人で、しかも喜んでそれに乗ってくれる人がいるなら、遠慮せずに力になってもらいましょう。
植物にかかわる趣味や、仕事を持っている人は、意外に自分の近いところにいるものです。
自由研究テーマに結びつきそうな植物の趣味を、思いつくままに列記してみますと、
などがあります。これ以外にも色々あるでしょう。
昔ははまってたけど、今は全然やってない、という人も、知識や経験を忘れていなければ、役立つ協力者になってくれそうです。
(上に挙げたものの、最後の二つは、「植物の趣味」とは言えませんが、植物系自由研究に役立ってくれそうな趣味嗜好の人、ということで入れてみました)
植物に関係のある仕事としては、
などに従事している人が、協力者として有望です。
仕事・趣味とは違うかもしれませんが、ボランティアで植物公園に出入りされている人なども、自由研究に役立ちそうな知識・経験を持っているかもしれません。
身近な人の中で、上の項に当てはまるような人がいたら、アドバイザーになってもらいましょう。アドバイザーとの関係や、住んでいる場所が近いか遠いかなどにより、どの程度の協力をしてもらえるかは異なります。
できれば、「何をやりたいのか」は自分でちゃんと決めて、「これこれをするので、分からないところがあったら教えてください」くらいの協力を頼むのが良いです。
しかし、夏休みの自由研究というものは、「そもそも、何をすればいいやら?」ということが、一番大きな問題だったりしますので、研究テーマを一緒に考えてもらうのも良いでしょう。専門知識のある人は、素人が思いもよらないような、提案をしてくれる可能性が高いです。
素人が、「難しくてできないだろう」と思うようなことを、意外と簡単にやってしまえる術を知っていたり、「こういう場所に行ってみたら、ヒントがあるかもしれない」というような知識も授けてくれるかもしれません。そして、雑談的にその人の趣味で作ったものや趣味にかかわる話を聞いているうちに、
「それ、自由研究になるかも」
というものを発見できるかもしれません。
本当に、おんぶに抱っこを頼める関係性のアドバイザーなら、
「何やったらいい?」
「どうやったらいい?」
「できなかったら、手を貸してくれる?」
など、二人三脚かそれ以上の協力体制をお願いしてみても良いでしょう。
専門知識のある人は、専門的な道具も持っています。それさえあれば他の人にはできないような工作物や実験のできる道具を貸してもらえるなら、自由研究がぐっとプロ仕様になります。
可能であれば、そのようなプロの道具も貸してもらえるといいです。特にプロ用の道具でなくても、「うちで買っても、絶対に今後の有効活用ができないな」と思える道具は、貸してもらえると助かりますよね。
もちろん、借りるのは、先方が貸しても良いと考えている場合に限ります。専門的な道具を、人に触られたくない人はいますので、ここは無理なお願いをするべきではありません。
特殊な道具や、高価な道具を使わせてもらうことよりも、身近なものを有効に使う小技・裏技の類など教えてもらえるといいですね。「そういう場合は爪楊枝を使え」とか、「付けまつげ用の糊で付けるとうまくいく」などの、経験に裏打ちされた良き情報を教えてもらえるといいです。
また、ものすごくファジーな感覚で進めるような自由研究だと、初めて着手する素人には、「このぐらいでいいのか?」ということが、大いに不安なことがあります。
こんな厚さでいいですか? こんな色になってますけどいいですか? こんなにきつく縛って大丈夫?
というようなときに、アドバイザーの一言で、不安が安心に変わることがあります。特に、「ここで失敗していると、後に研究が無になる」ようなポイントで、アドバイザーの助言を聞けるかどうかは大きいです。
初めての作業の着手すると、使用する物をどうやってそろえたらいいのか分からないことがあります。また、そろえるのが難しいという場合もあります。
そういうときに、どこで買えるのか、なるべく安く買えるのはどこなのか、買わなくても別のもので代用できないか、などの情報を、アドバイザーに聞いてみましょう。もしかしたら、自分のものを貸してくれるかもしれませんし、自分が使わないものを譲ってくれるかもしれません。
工作の材料などでよくあるのが、複数の素材を入手するのに、それぞれ別の店から買わなくてはならないのが面倒くさい、ということがあります。また、小口ではあまり売っていない材料というのもあります。こういうものをそろえるのは、実は結構な労力が要るので、アドバイザーさんに分けてもらえると、大変に話が早いです。
現に、私はたまにうちでプリザーブドフラワー講座や、クリスマスツリー作成講座、クリスマスリース講座など開きますが、参加者のほとんどは、自力でそれぞれのものを作れる人たちなのです。それを、わざわざうちの「講座」に来るのは、ここに参加すれば、材料が一そろい集まっているからです。ワイヤーを買い、リボンを買い、プリザ素材を買い……ということをやらなくていいからです。
そのような、労力を消費する調達も、自由研究の重要な要素なのかもしれませんが、「そこは省いてもいい」と思うなら、手軽な「専門家経由調達」をしても良いと思います。
知識・アイデア・専門技術などは教えられないけど、うちにある植物をどんどん持っていってもいいよ!という人が世の中にはいます。
たとえば、
家庭菜園をやっていて、収穫しきれない野菜や花がある。
裏山の笹竹を切ったが、どうせ全部ゴミなので、持っていってもらえると助かる。
サボテンのコレクションをしてたけど、規模を縮小したいので持っていって。
庭のハーブが増えすぎて困るので、いくら抜いてもかまわない。
トレリスにからませていたアイビーが伸びすぎ、いくら切ってもかまわない。
近々庭木の剪定をするので、切ったものならどれでも持っていっていい。
様々な植物の種を取ってあるが、全部はまけないのでどれでも持っていっていい。
いけばなやフラワーアレンジの展示会の残り花でよければあげる。
……というように、色々とあります。
テーマは自分で考えなければなりませんが、材料になる植物がある程度そろえば、それも自然に思いつく可能性大です。また、ハーブを引っこ抜きながら、ハーブを育てている人の話を聞いたりすると、何かヒントになることがあったり、聞いたことがそのままレポートに書けることだったりするかもしれません。
道具や素材、知識でも助けていただきたいけど、実際にアドバイザーに手を出して助けていただきたい……ということがあります。喜んで手を貸してくれる人がいるなら、借りてみましょう。手取り足取りの指導を受けるという借り方にするのか、研究をやってもらってしまおうという借り方にするのかは、各自の考え方で決めましょう。
専門家というのは、素人が一時間苦闘してもできなかったことを、ほんの一瞬で解決してしまったりします。そんなスキルは、研究に大いな時短をもたらします。そんなことができるんだ、できる人がいるんだ、と知るだけでも、自由研究をやった価値があると言えないでしょうか。
この論法を突き詰めていくと、「じゃあ、全部親切な専門家の方にやってもらおう」という道につながっていきます。そうなると、身内の誰かに全部丸投げ、という方法が一番早いことになります。
その考えを許すのか、許さないのかは各自の心の問題です。(正しく教育のことを考えれば、「許さない」となると思いますが)
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