前の記事までは、「ただ挿す」飾り方しか紹介しませんでしたが、少しは「挿すだけじゃない」飾り方も出してみようと思います。
この記事では、丸く作ったブーケのように飾る方法を、スプレーカーネーションを使ったものと、普通のカーネーションを使ったもので、いくつかの例を紹介します。
※誰にでもできる生け方です。特別な技術は要りません
上の説明を読んで、
「ブーケ型なんて、素人にできるわけない」
と思われる方もいると思います。
しかし、フラワーを習っているお友達にでも聞いてみていただければ分かりますが、カーネーションは、ただ束ねるだけで、半球や球体のようなブーケ型がかなり簡単に作れてしまう花です。
これは、花の形が元々そんな風になっているからであって、作り手ではなくて、花の側の特性です。なので、その特性に乗っかって生けてみようと思います!
一つ目の例は、スプレーカーネーションを使います。
たまたまうちにあった、下のようなスプレーカーネーションを使いました。
これをどう生けるのか、先に完成画像を出してしまいます。
↓こう生けました。
見てのとおり、ただ丸くするだけです。
実際のやり方は、まずスプレーカーネーションの花のついた枝をそれぞれ切ってばらばらにし、花の部分を集めるようにして輪ゴムで束ねます。
これで、ほぼ完成したも同然です。
花の側から見ると、こうなっています。
これを、程よい大きさの花瓶に挿したら出来上がりです。
上の例は、花の数が10輪ほどあることと、すべての花の茎を切って長さをそろえていることで、きれいな球面に近い形を作っています。しかし、花の数がそれほど付いていなかったり、茎の長さをそろえられなかったりすると、不揃いな球面になることもあります。
そもそも、真の素人の人は、茎についた花を全部切り離す作業など、やりたくないものです。そうすると、なかなか例1のようなスプレーカーネーションのブーケ風は作れません。
ならば、スプレーカーネーションを切り分けずに、多少不揃いなブーケ風にしてみましょう。下は、気楽におおらかに、1cmや2cmのずれは気にせずに作る「ブーケ風」です。茎を切り分ける作業はしていません。
スプレーカーネーションを、赤・ピンク各1本用意しました。
この2本を、互いの花が混じるように組み合わせ、なんとなく花の高さが揃うようにします。きっちりそろえようと思わずに、「なんとなく揃ってる」でよしとします。
その状態で、茎に輪ゴムをかけて固定してしまいます。どんな留め方でもいいです。
↑こんな適当な留め方で大丈夫です。下の画像は、束ねたカーネーションを、机の上に置いて花の顔の側から見たものです。
これを、口の狭い花瓶に入れれば、なんとなく丸く収まってくれます。
もし、あまりにも「丸いブーケの形」から飛び出している花があったら、引っ張って丸の中におさめれば大丈夫です。
上の2例はスプレーカーネーションでしたが、普通のカーネーション(茎に一輪の花がついているカーネーション)でも全く同じようにブーケ風に作れます。
作り方は、上の2例と同じく、「花を同じ高さに集めて、揃えて束ねる」だけです。
とにかく、花をなるべく半球型に集めて、花首の下あたりで握って固定してしまいます。気軽に作るときには、1本くらい飛び出す花があろうが、ブーケの球面が多少でこぼこしようが、深く気にする必要はありません。「ブーケっぽくてかわいいね」と言ってもらえればそれで十分ではありませんか?
カーネーション7本程度は、輪ゴム1本を二重にかけるくらいで簡単に留められます。
ブーケ型にして贈るもよし、贈られたカーネーションをブーケ型にして飾るもよしです。
「カーネーションだけ」「スプレーカーネーションだけ」ではなく、カーネーションとスプレーカーネーションを混ぜても同じようにブーケ風に作れます。ここでは、カーネーションを3本、スプレーカーネーションを2本で作ってみることにします。
メインになるのは、花が大きいカーネーションの方なので、まず、3本のカーネーションを手で持ちます。
そこに、スプレーカーネーションを混ぜ込むようにします。
上の画像からわかるように、スプレーカーネーションの花の高さはバラバラで、花で球面を作ることは、このままではできません。必要に応じてスプレーカーネーションの枝を切り、花がほぼ同じ高さで揃うようにします。要するに、下の画像のようにします。
花の側から見ると、下のように、丸くなっています。
理想は、黄色いカーネーションとピンクのスプレーカーネーションが、均一に混じり合うのが良いですが、気軽に作るときにはそんなに気にすることはありません。ちょっとスプレーカーネーションが片寄ったかなと思っても、「これはこれで良し」と思って、茎を輪ゴムで留めてしまいましょう。
↑こんな適当な留め方で大丈夫です。
束ねた「ブーケ風」のカーネーションを、そのまま花瓶に挿したり、
葉物を添えたりしても良いと思います。
よくある「カーネーション+カスミソウ」で、ブーケ風に作ることも簡単です。カスミソウは、全体に均一に混じり込んでフワフワさせるのが理想ですが、例4にも書いたように、素人が作る分には、「少し片寄ろうが、あまり気にしない」で全くOKです。
ここでは、例4のスタイルにカスミソウをプラスするものを作ってみることにします。例4にどの段階でカスミソウを足すのかと言うと、カーネーションとスプレーカーネーションの花の高さをあわせて丸く作るときに、カスミソウも同じように入れ込むのです。
すると、こうなりました。
カーネーションよりも、カスミソウが気持ち飛び出すくらいです。
これに、例4と同じように、ごく適当に輪ゴムかけます。
そのまま花瓶に入れて飾れます。
↑葉物を添えるとこんな感じに。