きれいな空き箱と、20cm足らずの松の枝が2~3本と、花ものが2~3本あれば生けられる正月花です。
ほぼ手のひらサイズですが、使う素材のおかげか、意外に本格派に見えます。
豆剣山(=すごく小さめの剣山)、もしくはオアシスが必要ですが、最近はどちらも100均で容易に入手できます。
すでに何回か空き瓶やお菓子の空き容器などを活用した正月花を公開していますが、今回はきれいな紙製の空き箱を使いました。
もとは、金平糖が入っていた箱です。
私はこれを、「花器に使用できるかも?」と思って取っておいたのですが、理由は、「華やかな和柄なので、正月花に使えるかもしれない」そして「口がすぼまっているので簡単に生けやすそう」と思ったからです。
特に、後者の理由が大きくて、口を絞るタイプの箱だったために、口の大きさを、自分の都合で変えられるのが便利そうだと思ったのです。
要するに、
↑こうも使えるし、
↑こうも使えます。必要なら、もっと大きく口を開けることもできます。
口をきゅっとすぼめることができると、材料が少なくてもスカスカした感じがなくなり、引き締まった姿にしやすくなります。
以下のものを使用して生けました。
空き箱自体は紙ですので、水を直接には入れられません。そこで、ガラス容器やプラスチック容器を箱の中に入れ、その中にごく小さい剣山を入れることにしました(剣山の代わりにオアシスでも良いです)。下の画像は、私が実際に使用したものです。
↑紙箱の隣にあるのが、私が箱の中に仕込んだ容器です。もともとは、水羊羹か何かが入っていた、竹を模したプラスチックカップです。その中に、右端の剣山を入れました。
私が「竹みたいに見える容器」を選んだのは、うっかり外から見えてもこれならおかしくないだろう、という考えだったのですが、すっぽり収まったために、完全に外から見えなくなりました。
では、花材を挿していきます。私が使った花材は、下のようなものです。
枝先をほんのちょっと切っただけの松と、2種類の花の切れっぱしです。松も、花も、もっと少なくてもできたと思いますが(半分でもできたと思います)、たまたまこれだけあったので全部使いました。
これをごく簡単に、正攻法で生けていこうと思います。
松ですし、正月なので、とりあえずまっすぐ立てることにします。
手元の松の中で、一番立派そうな松を選んで、器の中に仕込んだ剣山に立てました。
より、いけばなっぽくするなら、ど真ん中よりも左右どちらかに寄っていた方が良いです。(いけばなは、基本的に非対称の美なので)
そして、松が2本くらい入っていると格好がつくので、更にもう一本の松を入れます。
ここに、2種類の花を入れます(正確に言うと、今回は花1種類・実もの1種類です)。輪が大きいほうの花を、低めに入れて落ち着かせ、小さいほうの花はなんとなく散らせます。
↑花を入れて見たら、2本の松の間が窮屈に感じたので、左側の松を少し斜めに倒しました。
花材が全部入ったので、これで出来上がりとしました。小さいながらも、「正月らしく」はなったと思います。
これに、さらに正月的な装飾をしたのが、下の項の例です。
たまたま手元にあった、お正月らしい装飾アイテムを加えてみました。
↑一番長い松の前に挿したのは、爪楊枝くらいの長さの破魔矢です。多分、貰い物の和菓子にでもついていたものだと思います。良いポイントになり、ミニチュアのかわいらしさもあります。
↑これは、自分で適当に作った水引をワイヤーで束ねて挿しこんでいます。できている水引もたくさん売っているので、そういうものがあれば挿してみると、正式感や華やかさが出ます。
正式感を出しても、こんな大きさですので、
かしこまらずどこにでも、気軽に可愛く飾れます。