花の情報局

紙コップにだって正月花は生けられる!

正月花は、かしこまった花器に生けねばならないものではなく、大型の花材を生けねばならないものでもありません。
手近にある小さな器に、正月らしいものを少量生けるだけでも、十分に正月花といえます。

この記事では、紙コップに生けた正月花を紹介します。さすがに、ここまで小さくて軽めの花だと、床の間に置くのは難しいですが、食卓や、玄関の隅や、リビングのちょっとした棚の上などには、可愛く飾れると思います。
紙コップの扱いが、少々工作的になりますので、子供さんと一緒に作っても良いかもしれません。

 

目次 紙コップに生ける正月花

  1. 使用するもの、花材
  2. 紙コップを、ラッピングペーパーで包む
  3. 紙コップに、水と剣山を入れる
  4. 短い松を挿す
  5. 残りの花材を挿す
  6. できあがり

使用するもの、花材

使用したもの、花材は、以下のようになります。

  • 紙コップ
  • ラッピングペーパー
  • 輪ゴム
  • 紅白ゴム……和菓子かなにかの包装にかかっていたものを利用しています
  • 豆剣山……留め具・重石として使いました
  • 根引き松 ……長さ12~13cmくらいのきれっぱし4本と、長さ30cmくらいの小さい枝1本(下の画像参照)

紙コップに生ける正月花

紙コップに生ける正月花

  • 豆菊 少々
  • 千両 少々
  • 鋏……紙類を切るものと、花材を切るものが必要

紙コップを、ラッピングペーパーで包む

まずは、紙コップをラッピングするところから始めます。(今回使う紙コップは、普通の白のものなのでラッピングしますが、お正月柄の紙コップであれば、ラッピング無しでも大丈夫なものもあるかもしれません)

ラッピングは、今まで何度も当サイトで紹介してきた、「一番普通な鉢ものラッピング」の方法でやります。
ラッピングペーパーを、紙コップを包める大きさに切り(大きすぎる分には切れば良いですが、小さすぎると救済手段がなくなるので、少し大きめくらいのサイズで準備してください)、その上に紙コップを置きます。

紙コップに生ける正月花

紙コップの下から、輪ゴムでペーパーを留めていきます。

紙コップに生ける正月花

↑このペーパーの中に、紙コップがすっぽり入っているわけです。
親指で抑えているところに、タックが入っているのが分かるかと思いますが、このようなタックを、最低でも4箇所は入れてください(もっとこまかいタックを、たくさん入れても可)。

紙コップの口のところまで、輪ゴムを引き上げると、下のようになります。

紙コップに生ける正月花

このままでは、ラッピングペーパーが余りすぎていますし、輪ゴムのままではおかしいです。なので、ラッピングペーパーの余ったところを切って、輪ゴムを紅白ゴムに変えます。

↓すると、こうなりました。

紙コップに生ける正月花

余ったペーパーは、すごく適当に切りました(切り過ぎないことだけ注意すれば大丈夫)。飾りゴムが無ければ、輪ゴムが隠れるように上からきれいな紐を結んでしまっても良いです。
ペーパーやゴムのこまかいところは、あまり気にしなくて良いです。少しくらい曲がっていても、生け終わって最後に微調整すればいい、くらいの気持ちで進んでしまって大丈夫です。

 

紙コップに、水と剣山を入れる

この段階で、紙コップの中に、7分目くらいまで水を入れ、剣山も中に入れます。

紙コップに生ける正月花

紙コップの中に入るような大きさの剣山というのは、かなり小さい剣山です。100均で売っているような、直系4cmくらいの剣山でないと大きすぎて入りません。

 

短い松を挿す

ここから、花材を挿し始めます。
まず、短い松4本(使用するもの、花材の項参照)を、すべて紙コップに挿します。

紙コップに生ける正月花

何も考えずに、ただ挿しただけです。剣山にしっかり挿す必要は無く、ただコップに入れる、という感じで大丈夫です。

今回は、最初から短いきれっぱしを使ったので、鋏を入れずに紙コップに挿しましたが、長すぎると思ったら少し切ったほうが良いでしょう。(この「きれっぱし」は、松を生けたときに、邪魔になって切り落とした脇枝です。要するに、私がほかの正月花を生けたときに出たゴミです)

 

残りの花材を挿す

最低限のベースができたので、ここに

  • 立っている松
  • 千両
  • 彩りの花

を加えます。これだけでも、大体正月っぽくなります。

花材は、どれもただまっすぐに挿すだけです。
今回挿す花材の中で、剣山に挿しているのは、実は下の画像の「長い松」だけです。

紙コップに生ける正月花

すでに、短い松が4本入っているところの真ん中に、上の画像の松を挿します。挿すときには、枝の根本を斜めに切っておきましょう。そうしないと、剣山に刺さりにくいです。

短い松・長い松を入れてしまうと、紙コップの中は「引っかかりどころ」がたくさんできているので、短い花・短い千両を入れるのなど、何の苦も無くできます。

「使用したもの」の項に、「豆菊 少々、千両 少々」と書いたように、松以外の花材は、本当に少ししか使っていません。
豆菊は、枝の小さいところを2本だけ。千両も小さな脇枝1本だけです。これを入れたら出来上がりです

 

できあがり

紙コップに生ける正月花

少し門松風な、ミニミニ正月花の出来上がりです。
同じ手順で作っても、入れる花や、千両の有無や、ラッピングペーパーの色によって、印象が全然違う出来上がりになります。