※普段は花バサミを持つことも無いような、まったくの素人さん向けの記事です。そこそこ自力で生けられる方には物足りないです! 正月花を生けようと思っても、何から手を付けていいか分からない方は、どうぞご参考に
いかにも正月花らしく生けるためのコツを、7つのポイントに絞ってみました。
あまり難しく考えずに、下記の7つのポイントに注意して生けてみてください。少なくとも「なんちゃって正月花」にはすることができるでしょう。
いかにも正月を思わせるアイテムがそろっていると、生け手が上手くても上手くなくても、モノが勝手に正月花になってくれます。
いかにも正月を思わせるアイテムとは、たとえば下のようなものです。
正月柄の花器に、松とセンリョウを生けておいたら、それはもう「正月花」以外のものには見えません。
正月アイテムを多く使うと花がうまく生けられる、ということではありません。花を生ける技術が同じなら、正月アイテムを積極的に使えば、その方がより「ちゃんとした正月花に見える」ということです。
花を生ける技術で正月花にするのが難しければ、演出で正月花にしてもかまわないのです。
管理人作の正月花にも、たいてい「正月らしい何か」が一つは入っています。少なくとも、一つは「正月らしいもの」が入っているほうが、初心者の人はやりやすいでしょう。
「正月らしいものを入れる」という要件は、松を入れるだけでも満たすことができるので、難しいことではありません。
セットされた正月花を買うのなら、花屋であらかじめ組まれていますが、自分で花ものを選ばなければならないときには、本当に選べなくて困ってしまったら「菊」でいいです。
あくまでも、「困ったら」「どうしても決められなかったら」です。ご自分で、好きな花を選べるなら、菊にこだわることはありません。
しかし、あれこれ悩んで、わけが分からなくなるくらいなら、「菊」でいいです。
菊は、和にも洋にも合い、値段も手ごろ(手ごろなので、数が入れられます)、儀式や行事にマッチする正式感があり、花持ちも良いです。
また、生け花の根元あたりの隠したい部分を、菊1本入れたらかなりカバーできるので、扱いやすいです。
手のひらサイズのミニ正月花は、この限りではありません。しかし、ある程度の大きさの正月花で、生け花風に仕上げたいと思っている場合には、花材の種類が3種類あると断然楽になります。
枝を含めた花材の種類が三種類あると、メリハリがつきやすくなるのです。三種類三様の姿があるので、花材の力で、自然と花器の中に変化が生まれます。このような変化を、生け手の腕だけで作ろうとするのは大変なことです。そういうことは、花を売る側もよく分かっているので、ほとんどの正月花セット束は、3種類以上の花材の組み合わせになっています。
単純なことですが、「赤」を入れると祝い花テイストがぐっと上がります。
「赤い花」に限らず、赤い実、赤い茎、赤い花器、紅白水引など、なんでも良いのです。
赤い色はポイントになるので、「なんだかシャキッとしないな」という花に、赤い色の何かを挿し色に入れると、全体が引きしまるという効果もあります。
全く生け花の経験が無い人が、「生け花っぽく」生けてみせたいと思うなら、これを意識してみるとずいぶんやりやすくなります。
一度でも生け花経験のある人と、全くの無経験の人の大きな違いは、
「無経験の人は、とにかく花材に鋏を入れられない」
ということです。
鋏の入れ方が分からないので、なるべく切らずに生けていくと、枝も花も長いままに突っ立って、メリハリも見せ場も、何も無いものが出来上がります。そうなると、「生け花らしい」ところは、「剣山を使用している」ことだけだったりします。
そんな「生け花」は、生けた本人も満足しないもので、「なにかオカシイ」とは思うものの、修正する方法も分からず、そのまま首をひねりながら飾ることになります。
そんなときに、花に思い切って鋏を入れ、枝ものの長さの半分以下にしてみましょう。とりあえず、花のうちの1本を切ってみるといいです。
一本を短くしたら、ほかの花も少しは切らないと素人目にもバランスがおかしくなってくるので、もう1本も、さらにもう1本もと切ることになるでしょう。そのときに、全部を同じ長さにせずに、少しは長短をつけると、より生け花らしくなります。
実際に切るときに、
「半分以下なんて、そんなに短く切って本当に大丈夫?」
と思ったら、このページをご覧になってください→管理人の生けた正月花 枝と花の組み合わせで生けているもののほとんどで、花は枝の二分の一以下の長さだと分かるでしょう。いや、二分の一よりも相当短いものだって、だいぶあることがわかるでしょう。
葉もの、枝モノ、花モノなどすべてにおいて、「淡い、やさしい緑」よりも、「濃くて重厚な緑」の方が、なんとなく正月花っぽくなります。
これは、単なる印象の問題でして、あくまでも「なんとなく」の話であり、淡い緑のものを正月に生けたらダメだということではありません。
ただ、「淡い緑のもの」と「濃い緑のもの」を選ぶ場面があるなら、「濃い緑」の方を選んでおくほうが、正月花としては安全策だということです。
「なんとなく」の話なので、明確な理由を挙げることは難しいですが、おそらく濃い緑の方がどっしりとして、しかも引き締まって見えるからだろうと思います。
もし水引を付けるなら、そして、そのときに結び方に迷ったら、「一重結び」でいいです。
正月花の、正式な水引の結び方など、ネットで探すことはありません。熨斗にかける水引なら、間違った結び方をしたら失礼になったり、恥ずかしいことになったりしますが、いけばなにつける飾り水引に正式なスタイルも何も無いので、心配することは無用です。
つまり、正月花の飾り水引は、好きに結んだらいいのです。そして、好きな結び方など無いと思ったら、誰でもできる一重結びでOKです。こちらの記事で、水引の使い方を解説していますが、私は真っ先に一重結びを紹介しています。