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母の日に、カーネーション以外の花を贈るのはアリなのか

母の日に贈るお花はカーネーションだということは、小学生でも知っています。赤いカーネーションを見るだけで、母の日を想起する人もいます。
しかし、カーネーションでなければいけないという決まりはありませんし、カーネーション以外の花を贈ると作法に外れるというものでもありません。カーネーション以外の花も、堂々と贈ってください。

この記事では、カーネーション以外の花を贈る場合の考え方や、実際に母の日でよく贈られている花について紹介します。

 

目次 母の日に、カーネーション以外の花を贈るのはアリなのか

  1. カーネーションでなくても、全然問題なし!
  2. カーネーションがうれしくないお母さんもいる
  3. カーネーション以外なら、何の花が良い?
  4. 意外とプリザーブドフラワーも選ばれている
  5. 絶対にカーネーションの方が良い場合もある
  6. カーネーション派とカーネーションじゃない派の折衷案

カーネーションでなくても、全然問題なし!

母の日にカーネーションでない花を贈ったら失礼である、ということはありません。ならば、実質、何の花を贈ろうが、花以外の植物を贈ろうが、自由です。もし、「母の日に花を贈りたいけど、カーネーションはちょっとなあ…」と思っているなら、別の花を贈るのに何の問題もありません。自分の気持ちを届けるのにふさわしい花を贈ってください。

母の日に、自分の気持ちを届けるのにふさわしい花が、やっぱりカーネーションだと思ったら、カーネーションを贈れば良いです。でも、そうでないなら、自分の思う、カーネーションでない花を贈りましょう。
大事なのは、世間的に「カーネーションを贈るものとされている」ことではないです。自分と、お母さんの間で、カーネーションがベストの贈り物かどうかです。贈ってうれしい花、贈られてうれしい花を選ぶのがベストのはずです。

 

カーネーションがうれしくないお母さんもいる

かなり前(10年以上前だと思います)に、ネットニュースに、お母さんたちに実施した母の日関連のアンケート結果が載っていました。その中に、母の日に贈られたい花は何かという質問への回答で、「カーネーションはイヤだ」という声が一定数ある、ということが取り上げられていました。
これは、私が身近のお母さん方から聞いているリアルな声と一致します。
もちろん、子どもが贈ってくれたカーネーションを見て、「嫌だなあ」というお母さんがいるということではありません。「なんらかのお花をもらえるとしたら、どうせならカーネーションじゃないのがいい」ということかと思います。

もともと、カーネーションは、貰ってものすごくうれしい花というポジションのものではありません。
どちらかというと、安価な花で、花束・アレンジメントのわき役的存在のことが多いです。切り花のグレードの話で言うと、バラやカサブランカと比べたら一段下で、「滅多にもらえないような、すてきな切り花」ではないのです。

しかし、最近では、大輪でカラーバリエーションも多彩になり、かなり高級感のあるカーネーションも登場していますので、今アンケートを取ったら、多少お母さんたちの意識は塗り替えられているかもしれません。それでも、250円のカーネーションを3本もらうくらいなら、300円のバラ1本でいいのにな、という人は、ある割合で絶対にいます。

そして、見逃せないのが、カーネーションの枯れ方が、嫌われるタイプの枯れ方であるということです。
カーネーションは、花瓶に入れて放っておくと、水が汚くなり、茎が溶けてグズグズになって終わりを迎えます。花好きなお母さんほど、カーネーションの「最期」を知っています。「あのグズグズがすごく嫌い」という声が、花好きさんからも出るのです。
実は、この「グズグズ問題」も、最近のカーネーションでは解消されてきていて、花の持ちも格段に良くなっています。
だから、最近のカーネーションは昔と一緒ではない、すごく良いです、と私は言いたいのですが、一度ついたイメージはなかなか変わらないようで、今でもカーネーションの切り花に、あまり良い印象を持っていない人は大勢います。

 

カーネーション以外なら、何の花が良い?

以下は、カーネーション以外の、母の日ギフト花の例です。

やっぱりバラは喜ばれる

プレゼントの花として、バラを選んでおけばまず間違いはありません。バラが嫌いな相手でない限り、バラはいつでもお勧めです。母の日に贈るなら、赤やピンクが選ばれることが多いです。
たった1本でも、大きな花束でも、アレンジメントに仕立てても、とにかく様になります。
かわいい系の似合うお母さんなら、スプレーバラでもいいでしょう。


ピンクバラの花束

好きだとわかっている花

好きな花がわかっているなら、ピンポイントでその花を選ぶと良いでしょう。自分の好きな花をわざわざ選んでくれたという喜びも感じてもらえます。
母の日であろうがあるまいが、好きなものをもらったらうれしいので、ハズレが無いです。

季節の花

旬のものは、やはり素敵です。母の日あたりに切花の旬(地植えの旬と同じとは限りません)をむかえる花を、下に挙げておきます。

  • シャクヤク……見た目豪華なのに、値段はむしろリーズナブルです。香りも良いです(いわゆる「ピオニーの香り」とは、シャクヤクの香りのことです)
  • カンパニュラ……色も形も優しい花です
  • デルフィニウム……メインにもサブにもできます
  • ヤグルマギク……ロマンチック系の見た目で、各色あり、安価で買いやすいです
  • クリスマスローズ……ガーデニング好きの方に喜ばれます
  • バラ……バラは通年出回っているのですが、やはり5月はバラの季節なので
  • 紅花……この季節だけの花です。安価で買いやすく、ドライフラワーにするのが容易で人気があります
  • カラー……5月~6月くらいが旬な花です
  • スモークツリー……ケムリの木とも言います。美しいし、面白味もある花ですが、水揚げが良くないのがマイナスポイントです
  • あじさい……5月頃から出回りますが、あじさいも水揚げが良くないです。少なくとも水切りするくらいのマメさのある人向けです
  • ライラック……この季節にしか出回りませんので、花好きさんにはとても喜ばれます。が、どこの花屋でも売っているわけではないことと、ライラックも水揚げが良くないので、それが分かっていても喜んでくれる人向けです

花鉢

母の日の花は、切花も鉢花もどちらも良く売れます。カーネーション以外の花鉢で、おすすめのものを挙げます。

  • アジサイ……季節的に、アジサイ鉢がどんどん出てくる頃です。アジサイは、品種によっては大きさのわりに安価に済ませることもできます。最近は、色合い・咲き方が多様になっており、珍しいものが色々あり、選ぶのも楽しいです
  • ベゴニア……ギフトのベゴニア鉢としては、八重で輪の大きいリーガースが大人気です。しかし、最近はベゴニア鉢も多様なものが出回っていますので、色々なものを見てみると良いです
  • 蘭鉢……胡蝶蘭やカトレアなどの蘭の鉢は、昔も今も人気です。高級感のあるものから、可愛らしいものまで、色々あります
  • 好きだとわかっている花鉢……切花同様、花鉢も好きだと分かっているものならハズレ無しです
  • 季節の鉢物……母の日あたりの季節の花鉢としては、クレマチス、ミニバラ、カラー、アンスリウムなどがあります

意外とプリザーブドフラワーも選ばれている

当サイトでは、特にプリザーブドフラワーを推奨していませんが、プリザーブドフラワーも母の日ギフトとして選ばれ、喜ばれているのは事実です。
よく選ばれているのは、あまり大きすぎないサイズのプリザーブドフラワーアレンジです。プリザーブドアレンジの仕立てで、カーネーションは「埋めもの」(隙間を埋める花材です)としてよく使われるので、カーネーション入りが良いなら探すのは簡単です。


もちろん、カーネーション入りでないものでも良いです。プリザーブドフラワーは、生花と違って長期間飾れますので、母の日を主張せずに、シンプルに「きれいな飾り物」として身近に置けるもの、という観点から選んでも良いでしょう。

 

絶対にカーネーションの方が良い場合もある

当記事の主旨は「母の日でも、カーネーション以外の素敵な花贈りはできます」というものですが、一応、カーネーションを贈った方が絶対に良い場合もあるということも書いておきます。
例えば、以下のような人にはカーネーションを贈った方が良いです。

  • カーネーションが好きな人……はっきりカーネーションが好きだと分かっているなら、わざわざ母の日にカーネーション以外を贈らなくても良いでしょう
  • 母の日=カーネーション以外あり得ない、と思っている人……カーネーションが好き・嫌い・良い・悪いにかかわらず、母の日なんだからカーネーションに決まってるでしょ!と思っている相手には、期待通りにカーネーションを贈ってあげてください
  • カーネーションでないことを、マイナス方向に捉える人……カーネーション以外の花を貰って、「遠回しに感謝したくないと伝えている」「カーネーションより安い花を選んだに違いない」などという思考に陥る人にも、カーネーションを贈って安心させてあげてください

 

カーネーション派とカーネーションじゃない派の折衷案

カーネーションじゃない花を贈りたいんだけど、母の日に、まったくカーネーションにかすりもしないのも気が引ける、というような場合や、贈り手の好みで選ぶとカーネーションでないものになるけど、贈られる側はやっぱりカーネーションを待っているんじゃないか、というような場合などは、間を取ってカーネーションがメインではないけど、わき役としてちゃんと入っている花束やアレンジメントを選んではどうでしょうか。


カーネーションは、花束やアレンジの隙間を埋める役割や、ボリュームを出す役割によく使われる花なので、「カーネーション入り」の花束・アレンジを探すのに苦労することはありません。