花束や、フラワーアレンジメントを、花屋さんの店頭で注文するとき、どういう頼み方をすればいいのか分からないことがありませんか?
また、
「こういうのをお願いします」
と言ったのに、出来上がったものが自分のイメージと違ってしまい、
「うまく伝えられなかった……」
と思ったこと、ありませんか?
大切なシーンに使う贈り花であればあるほど、うまくいかなかった注文は、後悔になって後まで残るものです。ここでは、がっかりしない花束やフラワーアレンジメントの注文の仕方を紹介しますので、参考になさってください。
花束とフラワーアレンジメントの違いが定かでない方は、まずこちらのページ→花束とアレンジメントはどっちがいい? を見ていただいて、予備知識を仕入れてください。
花屋さんに、「どっちがいいだろうか」と相談してくれてかまいません。また、花屋さんの店頭のディスプレイを見てから決めるのも、良い方法です。「花束は私の好みだけど、アレンジはどうも違う」と感じることは、珍しいことではありません。(店によっては、花束製作担当と、アレンジ製作担当が別人のこともあります)
花の注文を受けるとき、花屋さんは、
「何にお使いですか?」
「お花の指定はありますか?」
など、色々質問してきます。注文に慣れない人や、面倒くさがりの人は、これがストレスになるらしいのですが、商品を作るには、情報は多いほど良い結果につながりやすいです。
できる限り詳しい情報を花屋さんに提供してあげる方が、結局良い買い物ができます。自分はこういう商品を求めています、というアピールを行いましょう。
花屋さんにとって、役立つ情報は、以下のようなものです。
使用目的の説明は、詳しい方が良いです。例えば、お祝いなら、何のお祝いなのか? お引越し祝い・結婚祝い・退院祝い・誕生祝い・出演(舞台などの)祝い、開店祝いなど、なるべく具体的な情報を申告しましょう。
まず、相手が個人でなかったら、先に申告しましょう。「個人でない」というのは、法人や、「○○会の皆さん」などです。
そして、個人でも、そうでなくても、相手の情報をさらに聞かせてください。
どんな人(たち)なのか、女性なのか、男性なのか、どのくらいの年代なのか。
派手好きなのか、地味好きなのか。どんな印象の人なのか。
もし、「人ではなく、ペット宛だ」という場合も、実際には飼い主さんに贈るものであっても、ペット宛として贈るつもりであることを知らせた方が、最適な商品を作る手がかりになります。
これも、伝えて良いと思う範囲で申告しましょう。先方のお宅に持参するのか、式典の途中で花束贈呈するのか、演奏会の楽屋に届けるのか、ホテルの一室に届けるのか、などです。
舞台や、演奏会であれば、ジャンルや演目が分かるともっと良いです。内容を意識した花のチョイスをすることもできます。
使いたい花があったら申告しましょう。もしも、店頭に目当ての花が無かったとしても、言ってみた方がいいです。店の奥にストックがあるかもしれませんから。
また、その花が無くても「そういうイメージの花」を花屋さんがチョイスできますので、参考になります。
希望の色があれば申告しましょう。
色を申告するときは、たとえばただ「ピンク」でなく、「かわいい感じのピンク」のように言ってもらえると、花屋さんのイメージが膨らみます。
具体的な色や花材が申告できなくても、「こんな感じがいいな」というイメージは、ほとんどの人が持っているものです。
「優しい感じ」「元気な感じ」「落ち着いた感じ」「ゴージャスな感じ」など、一番初めに心に浮かんだイメージを言ってみましょう。
上記の項目の、全部を申告する必要はありません。自分が欲しい商品の注文の、重要なポイントになるな、と思うところを重点的に伝えてください。
花屋さんに申告する情報は、「こういうのがいい」というものでなくてもかまいません。「これだけはイヤ」という情報でも良いのです。むしろ「イヤ」の情報は重要です。
花の注文というのは、お客さんの「『好き』をつかみきれなかった出来上がり」よりも、「少しでも『イヤ』を含んだ出来上がり」の方が嫌われるのです。
どんなのが良いかと言われても、本当に何も言えないときは、お店の展示商品の花束やアレンジを手がかりにしてみましょう。
実際の商品を指さして、
「こんな花で、でももっと小さくていい」とか、
「もっとはっきりした色がいい」とか、
感じたことを、そのまま言ってみましょう。
お客さんが「完全におまかせでいいです」と言った場合、花屋さんが採る選択肢は、下記のものが多いです。
これは、美容師さんの思考に似ているかもしれません。
上の「1」なら、とりあえず「外さない」可能性が高く、最新型のアピールにもなるので、よく使われるパターンです。
「2」は、要するに、来店者が優しい雰囲気の人なら優しい花を、元気な雰囲気の方なら元気な感じの花を作るということです。贈り主その人の「らしい花」を作ろう、という作戦です。
もしも、一度使って気に入った花屋さんがあったら、ぜひ次回もそこに行って注文してみましょう。これも美容室に似ているのですが、「自分に合う店」というのは、やはりあります。
何度も通えば、こちらが何も言わなくても、好みの花を作ってくれるような関係も築けます。
人生に数回しかないような、重要な場面で使用する花を注文する場合は、それがとても大事な花だとアピールしましょう。花屋さんも人間ですので、「大切な仕事を任された」と感じると、腕が冴えて実力以上の結果を出す場合があります。
つまり、「どんなに大事か」ということを、うまく伝えられるお客さんの方が得をするのです。このアピールを上手く行うことが、最強の発注術かもしれません。