新築祝いや、引っ越し祝い、要するに、家移りのお祝いに、花と緑関連のギフトはよく選ばれます。
具体的には、花鉢・観葉鉢・フラワーアレンジメント・プリザーブドフラワーなどです。
どんな種類のものがメジャーなのか、それぞれの種類を選ぶのに注意点はあるのか、などを解説します。
花と緑のギフトは、新築祝い・引っ越し祝いには定番ギフトの一つになります。
花のものは、生花であれ、プリザーブドフラワーであれ、華やかでお祝いにはふさわしいです。その中で特に人気が高いのが、華やかさと、高級感を兼ね備える胡蝶蘭鉢です。
花の付いていない鉢物も、よく選ばれます。いわゆる観葉植物です。新しい住居で新しいインテリアにどうぞ、という意図や、新しい場所に健やかに根を下ろすことへの祈りを込められることと、緑のもののもたらす癒し効果を届けられることが、選ばれる理由になります。
変わり種の鉢ギフトは、はっきりと「相手に喜んでもらえる」と思えるものや、「笑える、シャレになる範囲のもの」にしておきましょう。
例えば、食虫植物を贈るとするなら、相手は食虫植物マニアか、それを面白がって受け入れてくれる人だけ、と考えましょう。
切花であれば、一種の消えものなので家の中にあるのは短期間だけですが、根付きの鉢ものの「変わり種」は、「捨てるに捨てられず」という状況になって贈られた側が困ることもあるのではないかと、一度は考えましょう。
メジャーなものから挙げると、下のようになります。
一般的に、花屋は花束をあまりすすめません。特に、引っ越ししてすぐのタイミングだと、花瓶を探して(あるいは買って)飾る手間をかけさせない方が親切だろうという気遣いからです。これは、たしかにその通りと私も思いますが、贈る相手が花束を喜んでくれる相手だとわかっている場合は、花束でも良いです。(私などは、新居に花束をもらえたら大喜びです)
胡蝶蘭鉢は、新築祝い・引っ越し祝いには、人気の高いギフトです。「高級花である」という認識が浸透していますので、お祝い感が大きいです。
最近は、様々なサイズ・色の胡蝶蘭が売られていますので、ふさわしいギフトを選んで見つけると良いです。(参照:胡蝶蘭贈りのヒント集(使い道、値段、本数などについて))
胡蝶蘭贈りのマナーとして、「新築には、白胡蝶蘭がふさわしい」と一応はされていますが、「白でないと失礼」というほどのものではありません。もし、贈り先の人がピンクの方が喜びそうだと思ったら、ピンクを送った方が良いくらいです。
白にこだわるよりも、日本の住宅事情を考えると、大きさに気を使った方が良いです。「うれしいけれど迷惑な贈り物」にならないように、可能であれば、先方から最適な大きさを聴取できると一番良いです。
小さい方が喜ばれると思ったら、ミニ胡蝶蘭にするという手もあります。ミニ胡蝶蘭は、一般家庭でも咲かせやすいので、貰った後にちゃんと水やりしてもう一回花を咲かせたいタイプの人には喜ばれます。
ミニでない胡蝶蘭は、基本的には「二度と咲かない」ものと思って贈ってください。あれは、根付きの花束である、という認識で結構です。花が終わったあとも管理して花が咲いた、という人は結構いますが、最初に贈ったときのような見事な花は、専門的な温度管理ができるような人、つまり蘭マニアの人くらいにならないとできないと思ってください。
じゃあ、胡蝶蘭を生けたアレンジメントで良いじゃないかというと、それはそうでも無くて、「胡蝶蘭鉢」だけの持つステータスというものはあります。また、鉢の方が、花の持ちが断然良く、環境によっては3か月くらいも飾れます。アレンジメントでは、1週間くらいしか持たないので、鉢の方がだいぶ長く花を楽しめます。
観葉植物は、新築祝い・引っ越し祝いのギフトとしては、胡蝶蘭よりも需要が大きいかもしれまぜん。そのくらいメジャーなギフトです。
売っている観葉植物は、家の入口にはいるかどうか心配になるような大型のものから、100均で売っている手のひらサイズのものまであります。どんな大きさ、値段の観葉を贈るかは、相手先との関係や、贈る側の立場などにより変わってきます。
一般的に、「正式で上等な贈り物としての観葉植物」を選ぼうとすると、ある程度サイズの大きいものになります。フラワーアレンジメントなどは、小さくても「これは高級だ」と分かるように作れるものなのですが、観葉植物で「小さいけど超高級」と普通の人=特別な知識の無い人にはっきり分かってもらうことは意外と難しいです。
よって、格の高い贈り物にしようとすると、観葉植物自体のサイズが大きくなったり、鉢が大きくて高級品になったりしていくものです。
新居に大きな観葉植物が贈られるのは、お祝いとしては大変格好がついて良いのですが、大きすぎて先方が困らないかという点だけは、気を使った方が良いです。
超大型の観葉植物を贈るのはカッコいいですが、喜ばれると確信できる場合に限った方が良いでしょう。
新築祝いによく選ばれる観葉植物を、参考までに挙げてみます。
胡蝶蘭は、新築祝い・引っ越し祝いとして図抜けているので、上に単独の項目にしましたが、胡蝶蘭以外の花の鉢物も、昔からずっと人気があります。
下に、よく選ばれている花鉢をいくつか挙げてみます。
寄せ植え・寄せ鉢は、複数の苗物を取り合わせて、一つのギフトに仕立てたものです。寄せ植えと寄せ鉢は、ほぼ混同されていますが、一つの鉢に複数の苗物を植えこんだのが寄せ植え、一つの容器(バスケットなどが多いです)に、複数の苗物を詰め合わせたものが寄せ鉢です。
どちらも、デザイン的に美しく複数の植物が集められているので、見た目に楽しいですし、「複数をわざわざアレンジしている」ところに、単品の鉢とは別の魅力があり、その装飾性が、お祝いのギフトとしてふさわしいです。
お祝いを渡す、その季節の花鉢を贈るのもお勧めです。その時、一番きれいなものを贈ることにもなり、はっきりと季節が分かるもの(例:アジサイ、ポインセチアetc)だと、後から振り返った時に思い出に残りやすいです。
「蘭」は高級花です。胡蝶蘭でない蘭も、格の高いギフトになります。
もっともよく見るのはシンビジウム。そのほかにもカトレア類、デンドロビウム、バンダなどがあります。
相手が、この花が好きだとはっきりわかっているものを贈れば、喜ばれる可能性が高いです。
「相手の好きな花」が、安価すぎるものだと悩ましいですが、例えば、パンジーなどは1株100円くらいでも買えるので、パンジー単品にせずに、寄せ植えにパンジーが入っているものにするなどの工夫をすると良いです。
前述のように、新築祝い・引っ越し祝いに切り花を贈る場合、花瓶に生ける手間をかけさせないフラワーアレンジメントの方が、一般的には選ばれています。(自立型ブーケと言って、そのまま立てて飾っておける花束も世の中にはあるのですが、主に小型のものになります)
特に新居にふさわしい花というものは限定されていませんが、明るく、華やかで、楽しくなるような色・取り合わせのものが良いでしょう。特に新築祝いの場合には、高級感を感じさせる花材選びをすると、お祝い感が大きくなります。
一般の人がパッと見て「高級感」を感じる花材は、例えば下のようなものです。
花材以外のところで高級感を出すなら、誰でも知っている高級生花店、たとえば日比谷花壇の花を贈ったりすると、それだけで先方に「特別なお祝いの花です」と伝えられることもあります。
プリザーブドフラワーも、新築祝い・引っ越し祝いのギフトとしては、メジャーなものになりました。プリザーブドフラワーは、加工花で、本物の花を加工したものです。一種の「作り物」ではあるのですが、「本物の花を使っている」という事実は大きく、同じような値段・大きさであれば、造花よりも「本格派感」があります。
生花よりもプリザーブドフラワーのアレンジを選ぶときには、ほとんどの場合で「長く保存できる」ことが重視されています。早ければ1週間ほどで処分しなければならない生花よりも、プリザーブドフラワーならば、お祝いの品として、インテリアとして、長い間飾ってもらえ、手入れもあまり必要ありません。
プリザーブドフラワーアレンジを贈る場合の注意点としては、相手の趣味に合うかどうかが一番大きいです。なので、好みがわかっている相手に贈る方が、リスクが少ないです。
プリザーブドフラワーアレンジは、「いける」というより「仕立てる」ものなので、実用性のあるものの装飾に使うことができます。例えば、時計とか、フォトフレームの飾りに、プリザーブドフラワーを配置している商品もあります。
上に、「手入れもあまり必要ありません」と書いていますが、専門的な手入れが要るという意味ではなく、埃を払うくらいのことは必要、という意味です。華麗なプリザーブドフラワーに、埃がたまっているのは、なかなか悲しいものがあります。これを避けるのは、何らかのケースなり、カバーなりのある状態のアレンジを選ぶと良いですが、飾りものをきれいに保つかどうかは、飾る人の見識だと考えて、そこまで配慮して選ばなくても良いとも言えます。
花屋なり、雑貨屋(プリザーブドフラワーの場合)なりに、新築や引っ越しの祝い品を頼むときに、カードや札を付けるのであれば、正しいお祝いの名称を申告しましょう。
漠然と、「新しい家に引っ越す」と言っていたから新築だろう、などと思っていると、新築の賃貸マンションに入居するという意味だったりすることもあります。新築していないのに「新築祝い」を届けてしまうと、だいぶ失礼です。反対に、新築しているのに「引っ越し祝い」で贈るのもだいぶ失礼です。正しい情報を確認してから発注しましょう。