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引っ越し時に植木鉢はどうすればいい?(基本知識)

引っ越し時に、鉢植え類をどう扱ったらよいのか、基本的なことを解説します。
この記事は「基本編」でして、次の記事の「実践編」で、実際の作業を画像付きで解説します。

 

目次 引っ越し時に植木鉢はどうすればいい?(基本知識)

  1. 引っ越し業者に確認すること
  2. 鉢の箱詰め作業について
  3. 水やりはどうする?
  4. 枯死の要因になるもの
  5. 庭木を掘り上げるなら……

 

引っ越し業者に確認すること

引っ越し業者に、
「鉢植えの植物類は運んでもらえるのか」
と聞いてみましょう。

この記事までたどり着いた人は、おそらくすでに承知されていると思いますが、一般の引っ越し業者は、「動植物は運ばない」決まりになっています。
しかし、
「鉢植え類はいっさい運びません」
などの堅苦しいことは言わず、「好意で」運んでくれることの方が多いです。(規約にキビシメの業者は断ってきますので、事前に「鉢も運んでもらえるか」と確認しておいたほうが良いです)
「好意で」運んでくれる場合、破損・枯死などのトラブルがあっても、補償はしないという前提です。運ぶけれども、責任はお客様自身です、ということです。

すべて自己責任なので、基本的には梱包は自分でしなければなりません。しかし、中には「業務というよりは優しさ」で梱包を手伝ってくれることもあるかもしれませんので、
「梱包に手を貸してもらえるのか?」
と聞いてみてもいいでしょう。
(あまり当てにしないほうがいいですけど)

梱包の作業そのものは手伝ってもらえなくても、梱包のノウハウは教えてくれることがあるかもしれません。事前に電話で聞いてみると、
「こんなものを用意して、こんな風にしてみたら」
というようなアドバイスをもらえるかもしれません。アドバイスを聞いた結果は、あくまでも自己責任です。
(梱包作業のノウハウは、この記事の下の項や、実践編のページも参考になさってください)

また、鉢の数が多い引越しで、「単身パック」を使う予定であれば、トラックに鉢ものを積む余地があるのかどうか事前に確認したほうが良いです。単身用の引越しは、かなり輸送量が限られるので、積み重ねることのできない鉢類が、収まらなくなってしまう可能性があります。

 

鉢の箱詰め作業について

箱詰め作業について、箇条書きにしてみます。

  1. 鉢から土や水分が出てこないように、ビニール袋やシートで包む
  2. 鉢の材質によっては、割れないように新聞紙やクッションシートで包む
  3. 梱包した鉢を、ダンボール箱に入れる
  4. 箱に詰めた鉢が、中で動かないように、梱包材や丸めた新聞紙を詰めて固定する
  5. 丈が箱に入りきらない鉢植えは、鉢だけダンボールにいれ、上は出たまま(広がった枝を紐でしばったり、シートで巻いたりしてまとめる)にする
  6. トゲなど、キケンな部分がある植物は、人や物を傷つけないようにケアしておく
  7. 一つの箱に何個も鉢を入れると、重くなりすぎ、箱の底が抜けるので、ほどほどの重さにおさめるようにする

※梱包している画像は、引っ越し時の植木鉢の運び方(実践編)のページにあります

箱に収める状態にまでしておいて、業者に任せる(好意で運んでいただく)のが、一般的な植木の引っ越し手順です。

 

水やりはどうする?

鉢ものの引っ越しで心配なことの一つに、
「鉢から水が出て、泥水がほかの荷物を汚すのではないか」
ということがあります。
それを防ぐために、鉢はビニール袋などで包みますが、念のためにあらかじめ水を控えめにしておくと、さらに安全です。

ガーデナーなら、水を控えるギリギリのラインが、ある程度分かると思います。前日から水を控えてよいもの、2~3日前から水を控えてよいものなど、個々の植物の「ここから控える」というラインで、水やりを止めましょう。
そのような見極めができない人は、一律で「前日から、水絶ち」のように決めてしまいましょう。植物によっては、その水絶ちによって枯れる可能性がありますが、それを「想定内」「致し方なし」にしておくべきです。ガーデニング素人の方は、ダメモト精神で植木の引っ越しを行った方が良いです。
一鉢の犠牲も許せないと思うなら、専門業者の利用をお勧めします。

 

枯死の要因になるもの

上の項に書いた「水切れ」と並び、枯死の大きな原因になるのは、輸送途中の温度です。
輸送時に、トラックやコンテナの内部が高温になったり、低温になったりすることで、植物が枯死することがあり得ます。つまり、真夏・真冬は、鉢ものの枯死のリスクが高まります。

 

庭木を掘り上げるなら……

鉢ものではなく、庭木を掘りあげて輸送しようと考えているなら、これは完全に植木屋の領域の仕事です。素人さんにはお勧めしません。
もしも、どうしても自分たちで掘りだして運ぼうと思うなら、それこそダメモトの覚悟で着手してください。

根を張った植物を掘りあげるのは、一見小さな木であっても大変なことです。大きな労力が必要だということを理解しておいてから始めましょう。
また、大変な思いをして堀り上げても、場所を移して植え込んだら枯れてしまったという結末も大いにあり得ます。あまり……労力に見合わない仕事のように思います。

◆鉢植えの引越しの実践画像は、次ページで!