※上の画像は、サンキライです。秋~冬頃に花屋さんで買えます。ドライフラワー屋にもあります
実の付いた植物を飾るのは楽しいのに、それほど一般のご家庭では見かけません。
管理人宅で、実ものを飾っておくと、たいていのお客さんが「あら♪」と嬉しそうな顔をします。むしろ、花よりもウケが良いです。
実ものに花を組み合わせてもいいし、実ものだけを飾るのも面白いものです。決まった飾り方があるわけではないので、一輪挿しに自由に挿すだけでも魅力的です。
まず、飾って楽しい実ものを、ざっと挙げてみます。
唐がらし、サンキライ、栗、姫りんご、あけび、ノバラ、赤茄子、アダン、パイナップル、かりん、梅、柿、カラスウリ、キウイ、みかん、金柑、アンズ、ザクロ、アロニア、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、ツルウメモドキ、夏みかん、ゆず、ヒペリカム、ツリガネマユミ、コニカルブラック、仏手柑、うめもどき、クリスマスホーリー、黒ほおずき、真珠の木、南天 etc
上に挙げたものの中から、真珠の木の画像だけ貼ってみます。
真珠の木は、花屋さんで切り花で売っています(鉢の方が多いですが)。
上のリストからも分かるかと思いますが、流通している実ものは、結構たくさんあるものです。
上に書いたものの中で、花屋さんでは入手できない可能性が高いのは、カラスウリ、あけび、キウイくらいです。これは、鉢もので実ったものを取るか、自然の中で探して取ってくるなどしないと難しいです。
あとのものは、すべて花市場で普通に流通しています。
ただし、最近の町の花屋さんでは、枝のものがあまり入荷しない店舗が多いようです。そのため必然的に、柿やびわ、金柑などは手に入りにくいことになってきています。
私のように花の作品制作をするような人間には、「実ものがどうしても欲しければ、割高でも花屋に注文する」という方法があるのですが、家庭に飾るものにそこまですることはありません。庭にあるものを利用したり、枝ものに強くて安い花屋さんが近所にないか日ごろから探しておいたり、行きつけの花屋さんに実ものが入荷しないか目を光らせておく、などのアンテナを張っていただけると良いと思います。
いつも行く花屋さんに実ものなんて無い、という人が結構いると思いますが、果たして本当に無いのでしょうか?
店の正面にあるサービス束のコーナーばかり見て、とても面白い実ものが入荷しているのを見逃しているのかしれません。
実の付いた枝ものは、店の隅っこにあることが多いです。「隅っこに注目!」です。
隅っこにある実ものを運よく見つけたら、
「これ、いくらですか?」
と聞いてみましょう。自分が出しても良いと思う値段の範囲であれば、花を買うのと同じ感じで買えば良いです。1本しか要らなければ、1本だけ買って良いのです。
私の花屋経験によれば、
「実もの(特に枝もの)を、一本ばかり包んでもらうのはなんだか悪いような、おかしいような気がする」
と考えるお客さんがなぜか大勢いるのですが、花屋的には、花を1本買うのも枝を1本買うのも、何の差もありません。シンプルに、欲しい本数を申告してください。
本当は「好きに飾ればよし」なのですが、それでは全く手が出せない人のために、いくつかのヒントを挙げてみます。
実ものだからと言って、特殊な飾り方があるわけではないので、最も普通に飾るならこの方法です。上にも書きましたが、このとき、無理に花をあわせようとせず、実ものだけで飾っても良いものです。
実ものは、「実」だというだけで、人に楽しく、豊かな印象を与えますし、形もオブジェ的に面白いことが多いので、「実だけではつまらないかも」という心配はあまり要りません。
(もちろん、花ものとあわせてもきれいです)
実のものは、それだけ切り離しても、自分の持っている水分を保てるか、もしくは元々そのまま形をとどめて乾燥するようにできているものが多いです。上の例で言うなら、サンキライ、アダン、かりん、柑橘類など、たくさんあります。
↑これはフォックスフェイスといい、枝にこの黄色い実がついている状態で、花屋さんに売っています(参考:フォックスフェイス)
このような、ちょっと変わった形の実のものは、その面白さ自体で十分飾り物になり得ます。そのへんに置いとくだけで、楽しいインテリアになります。器に、いくつか盛ってみても良いです。
上の例の中では、サンキライ、唐がらし、栗などがそれにあたります。(そのままドライになってしまうわけですから、リース・工作に仕立てることに限らず、どんなところに飾ってもOKです)
↑これは、ドライになった綿の実です。買ったときはフレッシュな状態で、綿だけで花瓶に挿していましたが、途中から花瓶の水を捨て、花瓶の中でドライ化させました。他のドライフラワーと一緒に花瓶に挿したり、これだけをリボンで結んで壁にかけたりして飾っていました。
↑赤い実がサンキライです。一か月くらいは、きれいな色のまま飾れます。
実のなるものは、季節感豊かなものが多いです。一番上に列記した実ものの中にも、ブルーベリー・ブラックベリーは夏、栗・柿・ムラサキシキブは秋、というように、一目で季節が分かるものが少なくありません。実ものは季節らしさを盛り上げる花飾りになります。
これは、栗や柿のような、食用になる実ものを購入したり、生けたりする際の注意点です。
人間は、食べられる果実は、大きくてずっしりした感じを持ったものに好感を持ちます(当然、そのほうがうまいからです)。なので、花屋さんの店頭で柿や栗を買うときにも、より大きな実が付いているものを選んでしまう傾向があります。
しかし、意外にも、実ものは小粒なくらいの方が、飾り物としては扱いやすいのです。
理由は、一つには、あまり実が大きいものがたくさん付いていると、頭が重くなってしまって、だらしなく下を向いたり、器ごとひっくり返ったりしやすくなるから。もう一つは、食べ物の印象の方が強くなってしまって、飾り物としての「可愛げ」のようなものに欠けてしまうことがあるからです。(こういうとき、プロは容赦なく不要の実を切り落としますが、生け慣れない人はもったいなさが先に立ち、ほとんど鋏を入れられません)
つまり食欲がわかないくらいの大きさの栗や柿の方が、生ける用には無難といえます。
以上が、楽しく実を飾るためのヒント集です。ぜひお試しください!
実ものの扱いが豊富にありそうな花屋さんの特徴を、下に挙げてみます。
東京堂などの花資材専門店、東急ハンズなどの手芸・ハンドクラフト店、ドライフラワー専門ショップ(ドライフラワー雑貨・花七曜、造花ドライフラワー専門問屋花びし)などで買えます。
個人的に、商品が充実していると感じるのはこちらです→花材通販はなどんやアソシエ