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素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

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※普段は花バサミを持つことも無いような、まったくの素人の方向けの記事です。そこそこ自力で生けられる方には有益情報は多分無いです
※正月花を生けようと思っても、何から手を付けていいか分からない方は、どうぞご参考に

 

目次 素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

  1. 「切る自信」が無い人は、ちょっとずつ切ってみよう
  2. いよいよ、ハサミを入れます
  3. メインの松の長さ
  4. 剣山に松を挿すなら、斜め切りしよう

「切る自信」が無い人は、ちょっとずつ切ってみよう

花を生けるのがうまい人は、見ただけで「この枝の何を生かし、何を切り捨てるのか」を決断します。
しかし、素人にはそんな眼力が無くて当然です。一発で、すべてを済ませようとする必要などありません。切ることに自信が無いなら、段階を踏んで、少しずつ切っていきましょう。

ただし、あまり細切れに切って、切るたびに悩んでいると、最終的に何が良いのかわけが分からなくなってきます。そこで、下の記事の画像や情報を元に、せいぜい三段階くらいで切っていく感じをつかんでみてください。

 

いよいよ、ハサミを入れます

たとえば。
このページに貼った画像の松を、下の赤線あたりでカットしたとします。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

松の足(横枝が無い一本枝の部分)を、半分ほどに切るわけです。半分もカットするというのは、慣れないうちは、ちょと切るのにためらいを覚える人の方が多いです。ためらう理由は、ほとんどが
「こんなに切ったらショボくなるのでは?」
という思いです。

しかし、いざ切ってしまうと、何を怖がったんだろう、という感じだと思います。下は、足を半分に切って挿した松ですが、印象はそんなに大きく変わらないはずです。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

短くなると、その分だけ「下の空間を埋める(こちらのページ参照)」ことが容易になるので、松の長い足を切ることは、思っているほどリスクの高い行為ではありません。

足の長さをさらに半分カットしたのが下の画像です。松の枝分かれ部分のすぐ下くらいで切って、短い松の枝を手前に1本入れています。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

↑この程度でも、素人手の正月花の骨格には、十分なり得ます。
実際に、上の画像の松に、千両を1本だけ入れて正月花を完成させてみました。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(3)……思い切って松にハサミを入れてみよう

↑せめてもう一本千両が欲しいかな、という感じですが、これでも素人正月花としては、ギリギリOKだと思います。

 

メインの松の長さ

松を立てて生ける場合、実際にどのくらいの長さで生けるのが最適なのかという話しになると、各家庭で使う花器によって相当話しが違ってくるので、ここで断言することはできません。
しかし、この記事の画像を参考に、「下ががら空きにならないくらいまで、思い切って切ろう」と思って進んでみてください。

器に深さがあるのか、器の直径はどのくらいなのか、などの要因で、無難に扱い易い松の長さは変わってきます。なので、「何段階かに分ける感じで、切っていってみよう」なのです。自分が、ここで切るのをやめた方が安全だろう、と思ったところでやめるのがいいです。
ただし、慣れない人の切り方は、「切り足りない」ことが多いので、本当の素人さんは、「自分が思う長さより、もうちょっと短め」くらいがキマりやすいかもしれません。

具体的な例として、上の項の、千両を入れた画像の松の長さはどれくらいか、ということでしたら、「水盤の直径の二倍くらい」です。(←この数字、なかなか良い目安になるかもしれません)

 

剣山に松を挿すなら、斜め切りしよう

この記事では、松を切ることをテーマにしましたが、実際の切る作業のことでヒントを言いますと、松のような枝ものは、斜め切りしましょう。平に切ると、剣山に刺さりません。

枝を剣山に挿す方法は、ブログの記事で、超初心者さん用の解説をしています→枝を剣山に挿すときには