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素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

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※普段は花バサミを持つことも無いような、まったくの素人の方向けの記事です。そこそこ自力で生けられる方には有益情報は多分無いです
※正月花を生けようと思っても、何から手を付けていいか分からない方は、どうぞご参考に

 

目次 素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

  1. 自信が無いなら、とりあえず松は立てておこう
  2. 立てて、下半分がガラ空きになったときには……

自信が無いなら、とりあえず松は立てておこう

正月花を生けるときには、松のみではなくて、ほかにも花ものなどと組み合わせて生けるのがほとんどだと思いますが、まずは一番立派な松を一本手に取り、それを最初に入れるのが無難です。
そして、最初の一本からどう入れていいのか全然分からなければ、とりあえず立てましょう。立てれば、何とか格好になると思って立てましょう。
適当な長さに切って立てるのがいいのですが、本当に長さの加減が分からない場合は、1度切らずに立てて見てみましょう。

↓というわけで、立てました。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

一見、ちゃんと立てたように見えると思います。
しかし、これだと後が難しいです。なぜなら、下半分ががら空きです。がら空きの空間を、これから埋めるのが大変になります。

私が「がら空き」と言っているのは、下の画像の赤丸の部分です。

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

この赤丸の部分を埋めるのは、慣れない人にはかなり大変です。

 

立てて、下半分がガラ空きになったときには……

上の項の画像のように、松を長いまま使い、下半分がガラ空きになってしまったら、対処法は二つあります。
一つは、下半分の部分に松を低く入れて「がら空き空間」をカバーする方法。一つは、松を長く使うことを諦める方法です。

低い位置に松を入れてカバーする方法から、画像で解説しましょう。
単純に、二本目の松も直立のまま挿してしまうと、挿すときは簡単ですが、後からバランスが取り難いです。
たとえば、下のように、短い枝を一本足してみるとしますと、

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

これだと、一見空間が埋まったように見えて、実は何も埋まっていません。
慣れない人がこのまま生けると、下の画像の赤丸の部分がなかなか埋められなくて、

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

頭でっかちで、安定感の無い花になる可能性が高いです。そして、素人生けにありがちの、「ただ棒立ちの花」になってしまう危険性もあります。
それを回避するには、たとえば二本目に挿した松を、ちょっと横方向に傾けると……

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

なんとなく、いけばな風な三角形のシルエットに近づいてきました。
これでも、まだまだ下の画像の赤丸の部分ががら空きなので、

素人の方向け:正月花の松を生けるヒント(2)……松はとりあえず立てて生けてみよう

もっと、下の方に松を入れる必要があります。

要するに、画像の松は、最初の1本が長いから、下部がガラ空きになるのです。最初の1本に思い切って鋏を入れられれば、話は圧倒的に簡単になります。

つまり、普段はまったくいけばなをしない方にとっては、二つ目の対処法である、「松を長く使うことを諦める」ことの方が、本当は簡単だと私は思います。ただ、花鋏を持ちなれない方は、とにかく切ることが苦手な場合が多いので、「切らない対処法」のほうを先に紹介しました。
松に思い切ってハサミを入れていく方法は、次ページで紹介します。