花菖蒲の生け方の情報と言うより、花菖蒲の生態に関する情報です。
花菖蒲は、最初の花が終わった後に二番花が咲く、という話は、聞いたことがある方が多いと思います。その二番花は、どうやって楽しむのか、ということを紹介します。
上に、「どうやって楽しむのか」などと書きましたが、この文は、あまり正確ではありません。なぜなら、二番花を咲かせるのに、何か特別なことをする必要はないからです。
するべきことは、ただ咲くのを待っているだけです。咲き終わったからといって捨てないでいれば、いずれ咲いてくれます。元々、そういう性質の植物なのです。
待っていれば咲く、とは言うものの、植物は生き物なので、二番花が開く前に力尽きてしまうと、咲かずに終わることはあります。花菖蒲以外の切り花でも、ついているつぼみが開かずに終わってしまうことがあるように、花菖蒲もあの状態になれば、二番つぼみが苞の中でスタンバイしたまま、枯れて開かないということがあります。
管理人の個人的な感触を言いますと、最初の花が終わった後に二番花が開花する率は、7割くらいではないかと感じています。感覚的に、「8割には届かないかな」というくらいです。
なので、
「絶対に咲くはず」
「咲かなかった、おかしい」
とは思わないでください。
重要なのは、「7割ほども咲く」ことの方です。7割咲くなら、捨てないほうが良いに決まっています。
私が、花菖蒲の二番花がすばらしいと思うポイントは、「後から出てきた花なのに、最初の花にほぼ見劣りしない」ことです。
大体において、切り花に「花」と「つぼみ」がついている場合、最初から「花」だったものと、「後からつぼみが開いた花」を比べると、最初から咲いていた「花」の方が、大型で、華麗で、色も濃いものです。
たとえば、アルストロメリアの、「最初からついてきた花」と、「後から咲いた花」を比べますと、
↓「最初から開いていた花」
↓「後から咲いてきた花」
上の二枚の画像を比べると、花の色が全然違います。また、画像では分かり難いですが、大きさも後から咲いたものは二まわりほど小さいです。
この二つの花は、同じ茎についた花なのに、明確な差があります。このように、あとから咲いてきた花は若干頼りない、というのが普通なのです。
しかし、花菖蒲は、一番花とほとんど遜色ないと言って良いような花を、二番花でも咲かせてくれます。
ブログのこの記事やこの記事にも画像を貼っているのですが、花菖蒲の二番花は、このクオリティです。
ブログのこの記事で、最初の花が終わった状態から、二番花を咲かせるまでの画像を貼っていますので、よろしければご覧ください。
お伝えしたいことは、
「二番花を待たなかったら、半分以上損しています」
ということです。7割に迫る損失は、なかなか大きいと思うべきです。
ただ捨てないでおくだけで、もう半分楽しめるなら、ぜひとも捨てずに二番花を待ってみてください。