※前の記事:お月見に飾るすすきについて……長持ちさせる方法・飾り方・値段など とあわせてお読みください
前の記事に、ススキの飾り方は「完全なフリースタイルでよい」と書きました。こういうとき玄人は、何の迷いも無く自由に生けてしまいますが、素人の方は、「自由でよし」と言われると、かえって迷ってしまうこともあるようです。
生け慣れない人の迷いとしては、
「すすきと何を一緒に飾ればいいのか。ススキに合う花は何なのか」
というものが意外に大きいようです。
管理人は、ススキと合う花を聞かれた場合、とりあえず「ススキだけでもステキですよ」と言うことにしています。
例えば、この記事のトップに貼った画像には、ススキの穂だけ花瓶に入れたものが飾ってありますが、これでも十分お月見飾りになっています。
ススキの生け方は自由に、その人らしく、飾る場所にあっていれば良いので、「必ずこの花とあわせるのがよし」と決められるものではありません。なので下記は、一般的によくある取り合わせの例としてご覧ください。
ススキに合う花の例としては、
菊類、リンドウ、ユウギリソウ、おみなえし、ケイトウ、吾亦紅、ルドベキア、コスモス、ユリ類、カーネーション、ソリダスター、クジャクソウ、トリカブト、トラノオ、唐辛子、ネリネ、トルコキキョウ、フジバカマ、ホトトギス、栗(枝もの)
などです。
本格的に生けたいのであれば、秋の七草(萩、キキョウ、ナデシコ、葛、フジバカマ、おみなえし)とあわせると、最も伝統的な取り合わせなお月見の生花飾りになります。
花屋の店頭で、「すすめてみると喜ばれる」と感じるのは、ピンポンマムの黄色(下の画像)です。まあるい黄色の花が、お月様を思わせるからでしょうか。
お月見の数日前くらいから、花屋やスーパーの生花コーナーで、「お月見セット束」として、ススキと花をいくつか取り合わせたものが販売されます。それを見て、参考にするのも良いでしょう。
パンパスグラス(よくパンパスと略称されます)という花材が、切花やドライフラワーで売っています。この花材は、20年くらい前には「西洋ススキ」と呼ばれていました。日本のススキと同じくイネ科の植物で、原産地は南米です。
パンパスグラスが生えている姿は、大株でとても迫力があります。
日本のススキよりも、穂の部分が大きくて、幅もあって、モワモワです。パンパスグラスをドライにしたものは、嵩が大きいので、店舗のショーウィンドーなどで、「秋らしい大型ディスプレイ」の素材としてとしてよく使われています。日本にも、すっかり定着した花材になりました。
少し毛色の違うお月見花を飾りたい場合は、パンパスグラスを飾ってみてはどうでしょうか。西洋ススキと呼ばれたものではありますが、和風にも洋風にも飾れます。秋らしい雰囲気の出せる花材ですので、秋の七草と合わせることもできます。
パンパスグラスは、町の花屋さんでも比較的容易に入手できます。
運よく、近所にパンパスグラスが自生していたら、切ってきて生けることもできます。現在、パンパスグラスはあちこちで自生しています。多分、切花パンパスか、園芸用に持ち込まれたパンパスの種が飛んで自生しはじめたのだと思います。(切っても大丈夫とわかっている場所から切ってください)
ガーデニングの好きな人なら、パンパスを自宅で育ててしまうという手もあります⇒楽天市場の「パンパスグラス」 自生するくらいですから、栽培は容易です。
前の記事にも書いていますが、ススキは、水揚げの悪い植物です。すぐに乾いて、葉っぱは丸まり、穂はポワポワに開いてしまいます。
生きている状態で楽しめる期間は短いですが、穂だけとっておいて、季節感のあるドライフラワーにすれば、長く楽しむことができます。