ここで生けているすすきは、管理人が済んでいるマンションの清掃スタッフさんが、草刈りで切って捨てようとしていたものです。マンションのわきに生えていたもので、要するに、ゴミになるはずのものでした。
それを、もらってきて生けることにしました。こちらの記事で、「すすきは買わなくてもゲットできる」と書いていますが、こういうところからも手に入れることができます。
ゴミにされそうになっていた、葉っぱもほとんど付いていないたった2本のすすきでも、最低限この程度の格好はつけられる、という例としてご覧ください。
捨てられそうになっていたのを、私がもらって来たススキです。
葉っぱは2枚ずつしか付いてないし、早いうちに刈られているので、穂が完全に開く前の状態です。
しかし、これでも十分普通のお月見花にすることができると思います。
売り物ではないので、このススキは、あまりきれいではない部分があります。
その辺に生えていたススキですし、刈られた後に水にもつけてもらっていないので、葉っぱの先が乾いて丸まったり、茶色くなったりしていました。
また、まだ若すぎるくらいの開く前の穂なので、完全に外に出てきていません。これらの問題点を、一つずつ解決していきます。
穂が開く前とは、下のような状態のことです。
もう少したつと、もっと穂が開いてくるのですが、そこに到達する前に切られてしまったので、穂が細くたたまれてしまっています。
穂がたたまれているのは、半分ほど葉っぱに包まれてしまっているからです。下の画像の、青丸の部分の葉が、穂を閉じ込めているわけです。
穂を閉じ込めている、青丸の部分の葉っぱを切ります。
穂を囲んでいる葉っぱを、穂が完全に出てくるまでめくり、カットします。
乾いてよじれた葉っぱや、黄色くなっている葉っぱもなんとかします。
葉っぱ全体が乾いているものは、全部切り落とすしかありません。一部が乾いたり、変色したりしている葉っぱは、その部分だけ切り落とします。
今回のススキは、あまりきれいな葉っぱが無くて(草刈りのゴミなので当然ですけど)、本当は全部の葉っぱを切りたかったのですが、あまりさびしくなりすぎるかと思い、無理やり一部を残した感じになってます。無理やり残した部分は、「やっぱり切ってしまおう」と思ったらいつでも切れるので、「保険」みたいなつもりで残しました。
下の画像のように、葉先が乾いてしまったものの処理は、
乾いてしまった部分を、斜めにカットするだけです。
直角に切ると不自然なので、斜めに切っておきます。
このように、傷んだところを切ったり取ったりして、穂を全部出した結果が下の画像です。
これなら、十分飾れるススキです。
下ごしらしたススキをガラス花瓶に、たまたま家にあったシオン一本と一緒に生けました。草刈りで捨てられそうになっていたススキには見えないでしょう。
こちらの記事に書いた、「ススキは花よりも丈を長くして、穂が上に飛び出すスタイル」にしました。素直に穂を上に出しておけば、ススキの生け方はほぼ失敗しないと言っても過言ではありません。
こんな簡単な花でも、お月見団子の隣に置いたら、それらしく見えてきます。
上の項の画像のように、花は一種類でも全然かまわないと思いますが、「もうほんの少しだけお月見色を濃くしよう」と思うなら、花瓶を陶器のものに変え、いかにも秋っぽいリンドウの花など加えてみたらどうでしょう。