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この記事では、簡単ながら「1,500円のお正月束」を水盤に生けてみることにします。深く考えず、手軽に正月花を生けたい方は、どうぞご参考に。
そもそも、1,500円程度の正月束で、水盤に生けて様になるものができるのか?と思っている方は、この程度ならできるという実例としてご覧ください。
さっそく、「水盤に生けた1,500円の正月花」の画像を出しますが、3点前置きさせてください。
ということを踏まえていただいて、下の画像をご覧ください。このくらい生けられれば、素人生けとしては十分ではないでしょうか。
このくらいの正月花なら、素人でも10分程度で生けられます。
「最低限、このポイントだけ抑えれば誰にでもできる」というポイント8ヶを、下の項から挙げてみます。8つ全部のポイントを採用するのは大変だと思ったら、自分にも取り入れられそうなところだけ選んで真似してみてください。
本当は、直立させずに少しくらい横に振ったほうが生け花らしい形になることもあるのですが、立てておけばとりあえず無難におさまります。
また、ざくっと直立させるだけなら、倒れてくる危険が少ないので、縁起物としてはその方が安全とも言えます。
素人の方なら、「出来る範囲」でいいので、中心部分になるべく花材のきれいな部分を入れてみてください。真ん中が空いていると、寂しい上に、大ヘタに見える可能性が高まります。
素人の方でよくあるのが、「切る勇気」が無いがために、全部の花材が長いまま棒立ちになるという状態です。そうすると、えてして中心部に花や千両の実のような「見どころ」が無くなり、真ん中が寂しいスタイルになります。
上に貼った画像を見てください。一番手前の菊が、大分下に下がっています。このくらい低いところに花を入れると、安定感が増します。切るのが怖い人には難しいかもしれませんが、一度トライしてみると感覚がつかめます。
このくらいの「低さ」を作れないと、素人感丸出しの「棒立ちパターン」におちいることがよくあります。
水盤に生けるなら、完全なシンメトリーにはしないほうが、生け花らしく見えます。フラワーアレンジはシンメトリーをよしとしますが、いけばなは基本的にはアシンメトリーの美学を持っています。
「でこぼこがある形=メリハリがある形」です。全部の花ものが同じ長さだと、メリハリがつくれず、何かが足りないと感じる花になることが多いです。
上の画像の花で言うと、銀柳と千両を切り分けています。銀柳は4本に、千両は2本に分けていますが、切るのが不安な方は、「とりあえず二分割」と思って切ってみましょう。慣れれば、どこで切るのがいいか、自分なりの場所が見えてきます。
素人さんが全員そうとは言いませんが、高い確率で、素人生けは「切り方が足りない」です。もう3センチ切る、くらいでちょうど良いことが多いです。
素人生けは、「棒立ち」であることがとても多いです。花を横に振る経験が少ないために、当然のようにそうなるのでしょう。
よって、「こんなに寝かせて大丈夫?」と思うくらい花を傾けたほうが、手慣れた感じに見えることになります。
上の画像の、左に入っている千両を見てください。角度で言うと、45度くらいの傾き方をしています。ここまで傾けても大丈夫なのです。(素人で、自分の判断で45度も倒せる人はほとんどいません)更に、一番手前の菊を見ると、もっと傾いています。一度、「おかしいかな?」と思うくらいに傾けてみてください。意外に、そのくらいがおさまりが良いのです。
次のページでは、水盤よりも深さのある、「鉢タイプ」の器に生ける例を紹介してみます。