※普段は花バサミを持つことも無いような、まったくの素人さん向けの記事です。そこそこ自力で生けられる方には物足りないです! 正月花を生けようと思っても、何から手を付けていいか分からない方は、どうぞご参考に
前の記事からご覧ください。目次も前記事にあります。
松で骨格を作り、そこに花を入れていこうとしたときに、あいにく家にはあまりたっぷりした花が無く、小振りのピンポン菊三本と、使い残りの梅だけでした。
使い残りの梅は、下のようなものです。本当に「別作品に使った残り」で、だいぶ頼りないです。
梅の花が三つくらいしか付いていません。(普通の値段の正月束を買えば、これよりも良い花材が付いていると思いますので、これよりも絶対に生けやすいはずです)
ピンポン菊は、きれいでいいのですが、家にあったものは花の径が小さく、そのため一本で埋められる空間が小さいです。「入れやすい」「埋め易い」という観点からは、普通の一輪菊の方が扱いやすかったはずと思います。
一番単純に生けてみることにします。松で作った骨格の中に、花がちょっと顔を出すように立ててみました。
「一応梅も入ってます」程度のアピールにはなります。
しかし、まだ真ん中あたりに全然花が足りません。真ん中を、なんとかピンポン菊で埋める必要があります。
少ない菊を効率よく挿そうと思います。
それぞれに長さの差をつけて、「高」「中」「低」にして挿してみました。
菊を入れ込んだら、真ん中が少し窮屈になったので、手前に松をぐっと下げて(一度挿し直して立てた松を、結局寝かせた)、左の松も少しだけ角度を開き、それにあわせて梅も少し広げています。こういう、最後の微調整で、開き目の安定感のある形に近づけています。
素人花生けなら、このくらいで合格点でも良いのではないでしょうか。
(1)の冒頭で書いているように、この正月花は「お手本」ではありません。ほかにも入れ方はいくらでもあります。むしろ、この作例は、「安易な生け方の例」なのです。何度か生けていれば、もっとセンスを生かした、素敵な正月花が誰にでも生けられます。
「もう少し、派手にしたい」と思うときに、水引があると便利です。
上の項の花は、あまり立派な花材ではなかったものですから、生けた本人は、「何とかもう少しグレードアップさせたい」という心理が働きました。
そういうときに、簡単にお正月らしく、かつ派手にできるアイテムとして、水引はとても重宝します。
水引の扱い方など知らない、という人も、気楽に花に添えてみると良いです。当サイトのこちらの記事など、参考にどうぞ→お正月花などの水引は、自由に使えば良し 水引を売ってる場所は?
この記事でも、上の画像の正月花に水引を加えてみようと思います。
ごく簡単な方法として、金銀水引を半分くらいのところから折り、折った部分あたりで普通に一重結びにしてみました。
↑これなら、誰にでもできます。
この水引の結び目を、松の一番高い枝に引っ掛けます。
同じ水引を、上下逆さにしても使えます。
↑結び目の部分を下にして、やはり松の枝に引っ掛けて留めています。
というように、簡単な花を三ページにもわたって紹介してきました。
悩むことないのに、悩んでしまって生けられなくなるタイプの方には参考になる部分があると思います。気にし過ぎず、もっと安易に生けて大丈夫です! 松が入っているだけで、正月花は最低限の身分保証がされているも同然なのですから。