こちらの記事では、「お正月花=お正月切花セット」のような前提で記事を書きました(それが、もっとも一般的なので)。しかし、それ以外にも、お正月花商品はあります。家庭で飾り易い正月花には、ほかにどんな形態があるのか、また、それはどこでどうやって買うのかなど、基本情報を紹介してみましょう。
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あらかじめセットしてある正月束ではなく、「あれと、これと、これをください」と言って、自分で選んで買うことももちろんできます。多少いけばなが分かるくらいの人なら、単品の方が買い易いかもしれません(値段はセットより高いですが)。
正月花の常識を知っている人は、自分の欲しい花材を、自分の思う価格で、自分の良いと思える品物のグレードで売っているお店を選んで買いに行きましょう。付き合いの長い、自分の好みを良く分かっている花屋さんがあるなら、そこに行くのが一番いいです。花屋は、特殊な花材をわずかに仕入れて、店の奥にストックしているようなことがありますので、そういうものが好きそうなお客には、「苔松のいいのが入ってるんですけど……」などの情報を言ってくれることがあります。店の常連になっておいて、そのような品物を紹介されるくらいの付き合いをしていると、お正月花を選ぶ楽しみも、生ける楽しみも増えます。
単品で、何を頼んでいいのか分からない人には、基本的にはセット束をおすすめしたいと思いますが、どうしても単品セレクトで買いたいなら、まず主材料(松が無難)を一本決め(1本でなくても良いです)、そこに好きな花を合わせていったらどうでしょうか。
好きなものをセレクトして買うときに、「決まりごと」を心配することなどありません。正式な場所で格の高い花を生けるのならともかく、自分の家に自分の好きな花を飾るのに、決まりも何も無いと思って大丈夫です。
お正月セット束が売り出されるのと同じタイミングで、お正月仕様のアレンジメントも売り出されます。値段は、安くても2,000円くらいはします。2,000円くらいだと、ずいぶん小さいアレンジになるので、嵩としては、1,000円束を2束買ったほうが、2,00円アレンジの倍以上のボリュームが出せます。
アレンジメントの良いところは、「完全にプロの手でセットされたもの」であることと、「生ける手間が無い」ことです。特に、生ける手間がいらない便利さは、昨今非常に喜ばれていて、お正月アレンジはとても良く売れます。花屋では、作っても作っても追いつかないくらいです。いずれ、お正月花には切り花を買うよりもアレンジを買う方が普通になる未来もあるように思います。
現在は、一番メジャーなお正月アレンジのスタイルは、竹筒(大小で値段が変わります)にオアシスを仕込んで、松などの正月らしい花材を入れ、洋風のしつらえにも合うようにモダンに作る、というものです。これは、どこの花屋でも売り出しますので、花屋を何軒かチェックしてみて、好きな花が入って自分の予算にも合うものを見つけてみてください。アレンジメントのスタイルは、店によってかなり違うこともありますから、「どこでも一緒」とは思わずに、色々探してみると良いです。
もちろん、竹筒アレンジだけではなく、籠のアレンジを出す店もあります。
少し高級な(5000円より上くらい)アレンジになると、御所車の形の花器に生けるものもあります。花の御所車が出来上がって、とても豪勢です。
御所車のアレンジは、店頭には無くても、聞いてみると作ってくれることがありますので、欲しい人はオーダーしてみてください。御所車を、資材としてストックしていない花屋だと作れませんが、ストックがある店は、絶対に使ってしまいたいはずなので、喜んで引き受けてくれます。
私は、お正月セット束は、ネットで買う必要はあまり無いと思っています。しかし、お正月アレンジメントは、値段も少し高くなりますし、その店独自のスタイルを画像で見ることができますので、ネット買いするのも良いと思います。毎年、ネットショップは、12月に入った頃からお正月商品の画像をアップし始めますので、こだわりたいなら早めのチェックを始めると良いです。