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夏休みの自由研究テーマ:植物スケッチ・撮影系

スケッチ・撮影系とは、植物を絵に描いたり、撮影した画像データを使って研究としてまとめるものです。栽培系採集系との抱き合わせで行われることが多いですが、スケッチや撮影のみの自由研究もできます。
スケッチも、撮影も、屋内・屋外どちらでもできます。早く済ませようと思えば、たった一日机で絵を描くだけで仕上げることもできます。植物自由研究の王道でありながら、意外に短時間で片付けられる、便利なジャンルでもあります。

 

目次 夏休みの自由研究テーマ:植物スケッチ・撮影系

  1. 何をスケッチ、撮影するのか?
  2. スケッチと撮影は、どっちが良い?
  3. スケッチ派にも写真撮影は役に立つ
  4. スケッチ・撮影は、ミクロの世界でしてもいい
  5. 卓上の小さな植物だって、スケッチや撮影の対象になる
  6. 絵やデジタル画像を、どうやって研究に仕上げるか
  7. 写真を撮ってはいけない場所って?
  8. 切花や野菜も、スケッチや撮影の対象になり得る

何をスケッチ、撮影するのか?

スケッチや撮影の対象となる植物は、何でもいいと言えばいいので、下のようにいくらでも挙げられます。
たとえば、

  • 家の庭にある園芸植物や樹木
  • 自宅の近所(空き地や公園など)にある雑草や樹木
  • 自然公園、植物園など、植物をメインにした公園の植物
  • スケッチ・撮影用に特定の苗ものなどを用意する
  • 外国の植物(海外に行った人限定)

↑などが対象になります。(考えれば、もっと色々あるはずです)

スケッチ・撮影の対象が選り好みできるほどたくさんあるなら、対象とする植物に何らかの縛りを設けた方が、より研究らしくなります。
たとえば、下記のようなものはどうでしょうか。

  • 水辺の植物
  • 海岸の植物
  • 日陰の植物
  • 食べられる植物
  • 香りの有る植物
  • 特定の色の花に限る
  • 特定の形の葉に限る
  • 植物学上の分類の中のどれかに限る
  • その土地独特の植物
  • 文学作品に表れた植物
  • 文様やデザインパターンに多用される植物

植物を使うからと言って理系の研究にしなければならないことも無いので、上のリストの最後の二つのように、文系の要素がある研究にしてもOKです。

 

スケッチと撮影は、どっちが良い?

観察日記にしろ、植物の分類にしろ、絵に描いたほうが「子供が自分の手で仕上げた感」があるように思えます。
しかし、いまやそんな考えは古いらしく、カメラ(スマホかデジカメ)できれいに簡単に自由研究を仕上げるのは、ごく普通のことのようです。なので、特に学校から写真の使用を禁止されていない限りは、スケッチでも、撮影でも、どちらでも良いということになります。

量をこなそうと思うと、有利なのは圧倒的に撮影です。小さなスケッチだとしても、絵を100点も描くのはすごい労力ですが、写真100枚は、わりとすぐに撮れてしまいます。

絵のセンスがある子供さん、絵を描くのが好きな子供さんなら、得意なことを生かすためと、子供さん自身の楽しみのために、スケッチ派でいくのが良いでしょう。

子供さん自身の楽しみを重視すると、撮ることが好きな子は、「植物テーマの研究」ではなく、「撮影テーマの研究」にしてしまった方が良いかもしれません。つまり、植物は単なる被写体であり、研究のメインは「カメラって何?」「スマホのカメラやデジカメでどんなことができるの?」「こんなすごい撮影ができた!」のような切り口にするのです。そういうときに、植物はとても撮影のしがいがある被写体になります。

 

スケッチ派にも写真撮影は役に立つ

上の項で、「絵が好きならスケッチ派で」と書きましたが、スケッチ派にもカメラは便利に使えます。
研究対象となる植物を撮影しておいて、後で絵におこすときにその画像を見れば良いのです。この手を使えば、たくさんのカットの中から、絵にしたいものを後でじっくり選べますし、炎天下に草むらで長時間スケッチすることもありません。また、自然公園のような場所の植物を研究テーマに選んだときにも、とりあえず園内では遊びとともに植物写真を撮ることだけにして、絵にすることは後日に行えば、公園に行った当日は、遊びメインで楽しむことができます。

画像データを絵にするなんてつまらない、という方は、もちろん実物をスケッチするほうが良いと思います(本来はそれが、真の観察なのですから)。

 

スケッチ・撮影は、ミクロの世界でしてもいい

スケッチも撮影も、肉眼で見えるものだけを対象とするとは限りません。顕微鏡を持っているお子さんなら、顕微鏡で見えるものをスケッチ・撮影して自由研究にすることができます。(せっかく持っているのなら、自由研究のような格好の機会に使わないのは損!)
「顕微鏡」とまではいかなくても、スマホカメラのレンズにつけて使えるマクロレンズを使っても良いでしょう。安いものは100円からあります。私の知る限りでは、100均のセリアで売っています。

自分で描くなら、顕微鏡を使って見えるものを、紙の上にスケッチし、「何の植物の、何を顕微鏡で見たものなのか」をしっかり記録しましょう。多数の植物を使って、色々な部分を見た場合、後からどれがどれだか分からなくなることがあります。

顕微鏡で見られるものを撮影するというのは、私の子供の頃にはできなかった芸当なのですが、今は、デジタル顕微鏡など、PCやスマホと接続して使い、画像の保存が容易なものがあります。そういうものがあれば、いくらでも画像を取り込み、後でゆっくり整理して、研究に仕立てることができます。

 

卓上の小さな植物だって、スケッチや撮影の対象になる

植物のスケッチや撮影をするなら、やはり戸外だろうなと思う人がいるかもしれません。せっかくの夏休みなので、外に出ていって植物と触れ合うのはすばらしいことだと思いますが、室内で大人しくスケッチ・撮影したいタイプの子もいます。

たとえば、ママがキッチンに置いている小さな観葉植物だって、スケッチ・撮影することで、立派な自由研究に仕上げられます。葉っぱの形、付き方や、幹の様子などをスケッチ・撮影し、そのデータから植物の分類を割り出してみる、などの研究はどうでしょうか。よくよく見たら、新芽が変な形をしていたり、茎の様子に変な法則性があったりするものです。「……ん?」と思う形があったら、そこが、スケッチや撮影をするポイントです。また、植物の属や科を割り出したら、
「ええっ。これが菊の仲間???」
というような驚きもあることでしょう。そういう驚きが、はっきりレポートの上に現れるようにまとめると良いです。また、分類を割り出す途中で、植物分類の深遠な世界を感じたなら、それもレポートの上に表せるといいでしょう。

主に分類研究の場合を例にしてしまいましたが、家の中の植物を見て「おや?」と思ったら、それが即研究のテーマや、テーマへの入り口になり得ます。

 

絵やデジタル画像を、どうやって研究に仕上げるか

スケッチも、デジタル画像も、最終的にはどうやって「研究」の体裁を整えるのかを考えておきましょう。

いろんな植物をスケッチ・撮影して、それを分類するのか、
一つの植物をスケッチ・撮影して、特徴を描き出すのか、
一つの場所の植物をスケッチ・撮影して、場所の特徴を描き出すのか、
いろんな植物のある部分だけをスケッチ・撮影して、比較・分類するのか、
特定の条件の植物を集めてスケッチ・撮影するのか、

上記以外にも、色々な方法が考えられます。また、どのような形で提出するのかも考えておきましょう。

スケッチなら、
市販のスケッチブックを1ページずつ埋めていくのか、
画用紙に描いて後で綴じるのか、
自分で「専用用紙」のレイアウトをPCで作るのか、

デジタル画像なら、
画像ソフトは自分で使うのか、親の手を借りるのか、
画像が大量に有る場合、どの程度のボリュームにするのか、
画像メインにするのか、文章をメインにするのか、

毎日同じところから同じ植物の写真を撮り、それをパラパラ漫画風に仕立てるような遊びも、楽しくて良いかもしれません。
固いことを言わずにとにかく絵や画像データなどの素材をそろえ、仕上げは後で何とでもする、という考え方もあります。最近は、PCでいろんなことができてしまうので、親が手を出すときには、あまりにも自由研究レベルからかけ離れた高度な仕上がりになり過ぎないようにご注意を。

※植物の名称を調べたい場合には、こちらの記事をご参考に→夏休みの自由研究テーマ:植物採集系

 

写真を撮ってはいけない場所って?

自宅外で写真を撮る場合、撮ってはいけない場所でないかどうか注意しましょう。
公園や、野山などの自然の中なら、基本的には大丈夫です。気をつけるべきは、私有地の中と、他人が写りこんでしまう場合です。

私有地は、土地の持ち主に「ダメだ」と言われたらもう仕方ありません。ただの空き地の写真じゃないかと思っても、土地の所有者にそういわれたら、部外者は従うしかありません。

また、植物ばかりに注目して写真を撮っていると、バックに人がいることも気づかずに夢中になってしまうことがあります。昨今は、個人情報の意識が高くなりましたので、嫌だと思う人にとっては本当に嫌なことです。「うっかり」でトラブルの元を作らないように気をつけましょう。

撮影に関するNGとして書きましたが、スケッチも、土地の所有者に拒否されることは有り得ます(明らかに子供の自由研究だと分かる様子に怒る人も少ないとは思いますけど)。そうなってしまったら、波風立てずに立ち去りましょう。

 

切花や野菜も、スケッチや撮影の対象になり得る

自由研究目的の、スケッチ・撮影の対象植物としては、根っこのあるものの方がスタンダードではあります。
しかし、切花ではいけないとも、八百屋の野菜ではいけないとも、決められてなどいません。

たとえば、花束一個に含まれている花材を、すべて細部にわたって描き出し、どんな種類の植物の集合であるのかを明らかにしても良いではありませんか。また、野菜の切り口ばかりを写真に撮り、共通点や差異を挙げてみたって良いと思います。

植物のスケッチ・撮影=フィールドワークと捉える必要は無いです。植物は、人間のすぐそばにありますので、どこででも研究に着手できる対象の最たるものだと思います。

 

★植物スケッチ・撮影系以外の自由研究は、こちらでチェック→夏休みの自由研究テーマ